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黒side


「いらっしゃいま…あ、ジェシー!」


「え?慎太郎こんなとこで何してんの!」




夜8時、そろそろ店も混み合うタイミング。

鳴ったベルに反応して扉を向くと、そこにいたのはジェシーくん。



先週からうちでバイトを始めた慎太郎くんに驚いたみたい。



「え〜?お手伝い!さ、どーぞどーぞ!」



見慣れない金髪の美青年と一緒。

あんな綺麗な人、見たことないや。



「…ライバル?」


「…何言ってんのこーち」



ニヤニヤしながらこっちを見てきたこーちに軽く肩パンを食らわす。


ほら、おしぼり出してきて、

こーちから手渡され、ジェシーくんの席へ向かう。




「ご来店ありがとうございます。メニューはこちらです、」


「北斗さん!どうも!」


「あれっ、あなたは…」



ジェシーくんと一緒にいる金髪の美青年、は

あの時の事故の彼だった。



…ジェシーくんにちゃんと挨拶返せなかったのはごめんなさい。




「どうも!あなたにもお礼したかったんです!
僕、京本大我といいます」


「あ、松村北斗です。お礼なんて、気にしないでください」


「そんなそんな!ぜひさせてください!どうですか?このあと、」


「ああああ!これとこれとこれ!お願いします!」




京本さんの話は途中でジェシーくんに遮られてしまった。

このあと?なんだろう?


疑問はそのまま、とりあえず注文をとる。




「何だって?あの人」


こーちから京本さんのことを聞かれるけど、俺もよくわかんない。


「ジェシーと並んでると絵になるね〜。あ、もちろん北斗と並んでてもなってたけど」


「何言ってんのばかこーち。いいから早くこれ出して」



京本さんは綺麗すぎて、こーちが言った通りジェシーくんとはお似合いで。


ズキッ、


少し傷んだ胸には気付かないふり。





初めて俺の話を信じてくれて、そんなジェシーくんに喜んでるだけ。


そうそう、ただそれだけだ。




すみませーん、


呼ばれた声に反応して振り向くと、手を挙げているのは京本さん。



「あれ、ジェシーくんは?」


「あぁ、彼ならお手洗いに。俺はあなたとも話したくて。」


微笑む京本さんは女の人と見紛うほど綺麗。


「その京本さん、っていうのやめて。大我って呼んで?」


いつの間にか声に出ていたらしく反応した京本さん。

女の人みたいって失礼だったかな、って思ったけど

京本さん…改め大我は綺麗って言葉は嬉しいよって、


北斗もね。って微笑んだ。

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作者名:ぷりむら | 作成日時:2020年9月2日 20時

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