Sleeping Baby (ページ20)

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赤side

今朝の北斗さんは何かがおかしかった。

いつも降りていないバス停で突然降りてしまったから。

降りた後もしばらく立ち尽くしているように見えて、心配でならない。

すぐに連絡のできない自分がもどかしい。

しかも今朝感じた違和感はもう一つ。

前に見たことがもう一度起こってるみたいな、

このシーン見たなっていうか、

これってなんて言うんだっけ…

「デジャブ？」
「既視感？」

「わぁ！！いつからいたんですか！」

食堂で昼食をとりながら考え事をしていたからか、気付くと背後には同僚の姿が。

「何度呼び掛けても気付いてくれないから、仕方なく。で？デジャブでした？」

彼らが言うには、俺は心の中で考えていたこと全てを口から出していたそう。

まっさか、慎太郎でもあるまいし！

とまあこんな感じに言っていたのも束の間、声漏れてるよと違う同僚にも教えられた。

それはいいとして！

デジャブ…どこで？

でも今日の北斗さんを何処かで見た気がするんだよなー、

そこで浮かんだ今朝の一言。

“今日はきっと雪が降ります”

そこで思い出す、あの夢。

北斗さんが事故に遭うあの夢。

思い出せば、北斗さんの服装も髪型も指輪も

あの夢と同じ。

あの雪の日の交通事故と。