Sleeping Baby (ページ15)

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午後6時。

未だ彼の姿は見えない。

やっぱり信じてもらえなかった…

肩を落とす俺を見て、こーちも心配そうだ。

やっぱり、信じてもらえなかった。

やっぱり、未来を変えることはできなかった。

こんなチカラなんて。

誰も救うことの出来ない、こんなチカラなんて。

いつの間にか握り締めた拳に力が入る。

「慎太郎くんに連絡してみようか。もしかしたら家に帰ってるかもしれないし」

せめて、無事でいてくれるならそれでいい。

知り合いが傷つくのはやっぱり嫌だから。

こーちが電話に手をかけた時、

「こんばんはー！」

明るくよく響く声が店の入り口から聞こえ、振り向くと

そこにはいつもの笑顔を見せる彼がいた。

「ジェシー！無事？大丈夫？」

「AHAHA！ぜんっぜん無事ですよ！」

慎太郎も呼んだから今日はここでご飯～！

ニコニコとメニューを見る彼を見て、俺の目からは涙が溢れてくる。

「よかったな、北斗…って、え！」

焦るこーちを他所に俺の涙は止まらない。

「北斗さんどうしたんですか！」

「こんばんはー、ってどうしたの？」

いつしか慎太郎くんも合流して、涙の止まらない俺を囲む。

泣き虫でごめんね、

でも嬉しかったの。

俺の言ったこと聞いてくれたの、これまでこーちしかいなかったから。