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冬は寒くて、吐く息は真っ白になる。
俺が住んでいるのはそんなところ。
山間部な訳でもないし、特別都心な訳でもないが。
吐く息は、とてつもなく白かった。
「今日は…爆発？」
朝、目が覚めると、夢で見た景色をメモにとる。
これが俺の日課だ。
今日は、トラックが大きな炎に包まれる様子だった。
“30代くらい 男 爆発 雪”
枕元に常備されたメモにそう綴る。
「北斗〜！ご飯食べちゃいなさい！」
どこからかそんな母さんの声が聞こえた。
気がした。
朝食を軽く済ませると、とある飲食店へと向かう。
これも俺の日課。
「おはよ、北斗」
「おはよう、こーち」
とある飲食店、なんて格好つけたけれど、
そこは俺の職場である。
25歳にもなってアルバイトか、などという声は聞き飽きたので
耳に入れないことにしている。
「今日はどんな夢を見た？」
「ガソリンスタンドかな、きっと。そこで男の人が爆発する。トラックごと。
あ、そうだ。雪も降ってた」
「雪かあ、じゃあ今日じゃないかな。今日はずっと晴れの予定みたいだから」
こーちは俺がこの世で最も信頼を置く人間。
別に血なんか繋がっちゃいないけど、
俺にとって家族と呼べる唯一の人間。
俺のこの奇妙なチカラを知ってもなお、
近くに居続けてくれる稀有な存在だ。
「さ、北斗！開店時間だ！」
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2020年9月2日 20時
