狂わせたのはアナタ【沖田･土方】

十六話 ページ18

トシに支えてもらいながら廊下を歩く


総悟と神楽が2人になったのを見たところで私達は2人を追った


着いたのは薄暗い廊下


私とトシはそれを曲がり角に隠れて見ていた


一番最初に見えたのは総悟に抱きついた神楽


一見兄妹の戯れのようにしか見えない光景


これくらいなら別に何も思わない


が、次の瞬間


2人がキスをしだした


深い方のキス


神楽が逃げようとするが、腰を抱かれて逃げられない様子だ


苦しくなった


私は総悟とあんなキスをしたことがない


私が彼女なのに…


神楽には出来て、私には出来ない…


そう思うと苦しい


呼吸が出来ない…そう思う程に辛かった


私の様子に気付いたトシは私を抱えて病室に戻った


私をベッドの上に座らせ、再び抱きしめるトシ


土｢あいつら…マジで許せねぇ｣


トシが歯をギリッと鳴らす


その一方で、私は苦しい、辛い


そう思っていたはずなのに、それがもはや感じられなくなっていた


さっきまでは感じられたのに……


感じたのは心が黒に塗りつぶされるような感覚だけ


その瞬間、私はトシにキスをしていた

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