25.奇跡 ページ29
うらたside
う「……なんで俺とが良いって言ったの?」
『別に……』
一緒に行きたいと言ってくれたのは嬉しかった。ただ、そらるさんと比べて俺っていうのはそういうことなのか?
こんなことは考えてもしょうがないか。今日は楽しむ。それだけだ
う「なんか食う?おごってやるよ」
『いいの?』
う「今日だけだぞ?」
『ふふっ、ありがと』
落ち着いた雰囲気で返事をするこいつに、いつもよりドキッとする
『あれ飲みたい』
う「あんなんで良いの?」
指さしたのは、1本100円のラムネ。
『いいじゃん、なんでも』
う「はいよ」
う「……一気飲みすんの?」
『炭酸抜けるじゃん』
そうかもだけどさ……どう頑張ってもこいつはブレないな
う「ゴミ箱あるっけな」
『捨てないよ?持って帰る』
う「……バカなの?」
『いいでしょ!あ、そういや花火上がるの知ってる?』
誤魔化すな。花火?そんなんあるのか
そらるさんに来いって言われたから来ただけだし、どんな催しがあるのまでは把握していなかった
『いいところ見つけたから、一緒に見よ?』
う「まあ……」
『よかった』
俺の返事を最後まで聞く前に、俺の手を引いて歩き出したA
さっきまでラムネを持ってたので、その手は少し冷たかった
う「ここ?」
『うん』
そこは祭りからちょっと離れた、小さな公園のようなところ
ちょうどベンチがあったので、そこに2人で座った。その時に繋いでいた手が離れるのが少し寂しかった
[ヒュ〜、ドンッ]
運よく直後に上がり始めた色とりどりの花火。2人でその光景にくぎ付けになる
花火もきれいだが、その光に照らし出されるAの顔もいつもより綺麗だった
う「なあ、」
『ん?』
う「俺さ、お前が好き」
う「ずっと好きで、そらるさんのこと好きって聞いた時はショックで死にそうかと思った」
う「まあだからって、あんなこと言うのはあれだけど……」
う「とにかく好き。できることなら俺と付き合って欲しい」
言えた。全て。今フラれても悔いはない
俺たちの間にしばらく沈黙が流れる
『……私もうらたさんが好き』
う「は?」
『だ、だから好きだってば……何度も言わせないでよ』
だって嘘だと思うだろ?片想いだとずっと思ってた。叶わないって思ってた。なのに……
嬉しさと、欲が同時にあふれてくる。もう我慢できない
う「A」
こちらを向いたAの顔をそっと手で包む
俺は迷うことなく、静かに唇を落とした
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ぺるはむ - innoさん» ありがとうございます!どんどんハマっちゃってください! (2020年5月31日 20時) (レス) id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
inno - みにきました!!歌い手さんはまりそうですww更新頑張って (2020年5月29日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
ぺるはむ - ふゆなさん» 別に構わんがww (2020年5月13日 19時) (レス) id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな - ぺるねぇの作品最近読んでなかった… (2020年5月12日 23時) (レス) id: 8bd4e2541a (このIDを非表示/違反報告)
ぺるはむ - 輝羅さん» ありがとう!ネタを入れないと小説書けない人間だからな、気に入ってくれてありがとう (2020年5月8日 22時) (レス) id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺるはむ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/perurisu/
作成日時:2020年4月19日 20時