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忌「……な〜んてな、嘘だよ」
また唐突に首を掴む手が緩み、Aは咳き込みながらも深く息を吸う。
キッと忌子を見上げ睨みつけるも、当の本人はヘラヘラとしたままである。
忌「俺はさ、あのとき結構嬉しかったんだよ。俺を殺してくれたのが、お前で。…まあ、結局こうやってしぶとく生きてるわけだけど」
��あのとき��……。
結城に引き取られてから、あの辛い記憶は封印するよう言われてきた。実際その通りにしていたはずだ。
しかし目の前で狂気的に微笑むこの男が、かつて生き延びるためA自ら手にかけたこの男が、無理矢理過去の記憶をこじ開けてくる。
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まだ幼い子どもたちが想像すら出来なかった地獄。そこが、Aや忌子たちが育った場所だった。
毎日が死と隣り合わせの過酷な訓練。その訓練を乗り越えるとこの地獄から飛び出すことを許され、各自が人間兵器として戦場に駆り出される。
数々の訓練を血反吐を吐くような思いで共にくぐり抜けてきたAと忌子は、施設内でトップの成績を誇っていた。
＜もう少しして、ここを出たらさ…＞
＜ん？＞
＜一緒に日本に行こうぜ＞
馬のように何グラウンドも何グラウンドも走らされた日の夕方、格子越しに輝く夕日を眺めながら忌子が呟いた。
あまり「もし」の話を持ち出さない忌子がこんなセリフを言うことに驚きを隠さないAであったが、構わず忌子は続ける。
＜お前、日本で生まれた日本人なんだろ？だったらこんなクソみたいな国捨ててさ、二人で日本に行って、適当に商売でもして、それで…＞
＜結婚、しよ？＞
＜う…っ、俺が言おうとしてたのに…＞
＜だって、タラタラしてるんだもん＞
＜くっそ…＞
夕日を背中に振り向いて忌子は、恐る恐るAを抱き締めた。
初めて抱き締められたAは、骨張ってはいるが筋肉で硬い忌子の身体に手を回す。
＜絶対生き延びるんだ…、たとえ無理に戦場に送られそうになっても、俺たち二人に敵う奴なんていない。俺たちなら、絶対負けない＞
＜うん…、絶対＞
血に塗れたまだ幼い少年少女の、戯言のような約束。しかしそれは、彼らに大きな希望の光を見せていたことは確かだった。
しかしそんな希望も、瞬く間に壊されることになる。
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ぽなふ(プロフ) - 星宮あおいさん» はかとんって博多豚骨ラーメンですかね？？(違ったらごめんなさい…) (2018年6月29日 18時) (
レス) id: ae4a510d66 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - ねこメさん» ほんっっっとに嬉しいです。こんなにジョカゲ仲間がいてくれるなんて…！ (2018年6月29日 17時) (レス) id: ae4a510d66 (このIDを非表示/違反報告)
星宮あおい - レスありがとうございます！(今日はちゃんと敬語笑)はかとんの林っぽい！更新楽しみです！頑張ってください！ (2018年6月28日 17時) (レス) id: beb3313b11 (このIDを非表示/違反報告)
ねこメ - 続きがとても楽しみです！更新頑張って下さい！ (2018年6月25日 22時) (レス) id: 9bbab6553f (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - あめちゃんさん» ありがとうございます、めちゃ嬉しいです！！ (2018年6月24日 18時) (レス) id: ae4a510d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2018年1月20日 21時
