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「新八と神楽が迷子の猫探しに駆り出されちまってよ、ちょうど人員不足なとこに厄介な依頼が舞い込んできたんだ」
『意外と繁盛してるんですね』
「意外は余計だっつの こうやって立て続けに依頼が来ることだってたま〜にはあるわ」
『それで、厄介な依頼っていうのは？』
「要するに荒事だ、荒事 今日は非番だろ？詳しいことは道中説明してやるから、手伝ってくれよ」
なんだか法外な依頼料の代わりに面倒くさいことに巻き込まれた感じは否めないが、「ハイ決定」と勝手に決めつけているこの男の強引さを可笑しく感じている自分もいた。
とりあえず銀時のあとに続いて万事屋の外に出ると、彼はすでに原付きバイクに跨っていた。
怪訝に思ってそれを見ていると、ちょいちょいと手招かれる。
「何チンタラしてんだ、さっさと後ろ乗れ」
『私もですか？』
「依頼を手伝えって言ったろ」
おそるおそるバイクの後ろの方に跨ると、銀時は慣れた手つきでヘルメットをAにかぶせてきた。
カチッと装着できた音がすると、目的地も言わずに走り出す。
『わたッ、私、バイクって初めて乗りました！』
「そーいやお前、田舎の芋娘だったもんな」
『すごい！風と一体になってる…！』
あっという間に背後に飛んでいくかぶき町の景色に、珍しくキャッキャとはしゃいでいるA。
思わず自然と緩んでしまった口元に気づき、銀時は眉を顰めた。
「オイあんまはしゃいで落ちんなよ！俺はもうこれ以上人は轢きたくねーからな」
『これ以上…？』
「あ、いや、ちが、お前すぐ手錠チラつかせるのやめろ！いつからそんな子になっちゃったの！？」
『国家権力はチラつかせてなんぼだって沖田隊長が』
「ほんと教育に悪いなあの税金泥棒集団は …違うからね！銀さんのバイクはちょっと呪われてて変な奴を引き寄せやすいだけだから」
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2022年12月31日 13時
