氷上のプリンスと目覚めぬ歌姫 (ページ7)

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7話ページ7

「スケート場、大丈夫でした！今日の夜からでも練習しに来てくださいね〜！」

そう言って可愛い犬のスタンプを送る

…チャットの上ならこんなに可愛いことが出来るのに

いつも、知らない人の前ではオドオドして

…まあ、いなや人たちの前では強く出れるけど

作り笑いをすることしか出来ない自分に嫌気がさしていたとき、返信が帰ってきた

『Aさんもスケート場いらっしゃるんですよね？』

…あれ、苗字教えたっけ。あ、LINEの名前がAなんだった

…でもそんなこと気にするなんて…何故だろう？

「私がいたら練習の邪魔になるのでは…？」

『でもここの運営者さんは、Aさんの為に開けてくれるんじゃないですか？』

…不覚だった

確かに私に貸したつもりのスケート場が、知らない人に貸されていると知ったら

佐藤さんなら怒ることは無いが、私に嘘をつかれたと辛い思いをさせてしまうかも知れない

「そうですね、私も行きます！羽生選手の練習を生で見ることが出来るとは…！」

『何だか緊張するのでやめてください。』

そんな文と、とても笑っているスタンプが送られてきた

羽生選手、こんなスタンプも使うんだなぁ…

楽しみだな、…いや、これマスコミにバレたら結構まずいのでは…？

色んな感情を落ち着かせながら、夜になるのを待った