氷上のプリンスと目覚めぬ歌姫 (ページ31)

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31話ページ31

歌い終わり、涙を流したまま肩で息をする

私は曲に没入してしまうので、大分精神面や体調に支障が出てしまう

そして私の演技は終わったというのに、なぜか皆静まり返っていた

…私なんかやらかしたか…？

そう思いながら立ち上がり、皆に向かって深い礼をする

すると、どっと言う歓声と、拍手が飛んできた

「Aちゃん！！まじでやばかった！！女優さん向いてるって！！」

ノブくんがそう言ってリンクへと上がってくる

「…Aちゃん、本当に凄かったよ。真央泣いちゃった。」

そう言って涙ぐむ真央ちゃん

「そう、かな。ありがとう。」

まだ息が整っていない私は、ゆっくり息を吸いながら皆に笑顔を見せる

「Aちゃん〜！！！」

そう言ってぐっちゃぐちゃの顔で抱きついてきたのはカナちゃん、どうやら号泣してしまったようだ

「カナちゃん…！私の歌、どうだった…？」

私がそう聞くと、よかったに決まってるでしょー！と言ってもっと強く抱きついた

「A。」

よく通る声で奥から出てきたのは、羽生くん

「…どう、だったかな。」

私が顔を伺うようにそう尋ねると、良かったに決まってる。そう言って私を優しく抱きしめてくれた

あー。安心した…

あ、でもまずい

私がそう思った時にはもう遅く、視界が真っ白になった

「え、A！？」

「Aちゃん！？」

皆がそう、私を呼んでくれていたが

私は意識を手放してしまった