氷上のプリンスと目覚めぬ歌姫 (ページ25)

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25話ページ25

羽生くんに連れてきて貰ったのは、有名な選手たちが練習場所にしているスケート場…らしい

「ここでさ、真央ちゃんとかノブくんとかと一緒に練習してたんだよね。」

「そうなんだ！そんなところ、私来てよかったの？」

少しオドオドしながら羽生くんに聞くと、いいんじゃない？俺の彼女だし。とさも当たり前かのように言った

「…羽生くんってそう言うこと言えるんだね。」

と、私は照れながら両手で顔を隠すことしか出来なかった

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「よろしくお願いしまーす。」

羽生くんがそう言ってリンクへと近づくと、他の選手の方々が、近くへと寄ってきながら挨拶をしてくれた

…というかいつもこんなに人が多いものなのだろうか？

私の視界には、少なくとも20名以上の選手と関係者の方々が映っていた

「わ！貴方は？」

そう言って話しかけてきてくれたのは

「え、ぇぇ！？む、村上佳菜子選手！？」

「そうですよー！こんにちは！」

そう言って村上選手は握手は求めてくる

私も勢いよくそれに応えるが、今更手汗などの心配をした

「で、あなたは？」

そう言って、キラキラとした目線をこちらに向けてきた

羽生くんの彼女をさせてもらってます、と言うべきだろうか…？

…関係者しかいないから大丈夫かな？

そんなことを考えながら、あー…と言っていると

「カナ、その子は俺の彼女。」

準備を終えた羽生くんが、後ろからグイッと割って入ってくる

「え！？ゆづにそういう人ってできるの！？」

羽生くんは失礼すぎない？なんて言いながら笑っている

「というか、俺皆のことなんでここに呼んだか知らないの？」

その問いに、村上選手が何かを思い出したように突然言葉を発する

「この子が滑りながら歌う子！？」

「…あはは。まぁ、趣味程度で…。」

私が照れながらそう言うと、村上選手の声に反応したように、選手がわらわらと集まってくる

「え！？もうきてたん！？はよ言うてや〜！」

そう言って織田信成選手がぐいぐいと近づいて来た

「あはは！テレビで見た"ノブくん"そのままだ！」

私がそう言って笑うと、ノブくんも笑いながらよろしくね！と握手をした