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正直、まだ理解するのには時間がかかりそうだけど、この光の玉が嘘を言っているとは思えなかった。
根拠はと言われると返答に困るけど………信じたいと思ったんだ。それに、何だろう……この声は前にも聞いたことがあるような気がするんだ……。
〈……A、貴方は力を失ったら自分の価値も失われると言いましたが……本当にそうだと思いますか?確かにルフトゥの力は特別です。しかし、貴方はそれに勝る【心】を持っているではありませんか。〉
｢心………｣
〈貴方は今まで、どんなにか細くとも助けを求める者の声を無視することは無かった。今だって、レベッカと友人になったとはいえ、1日前まで何の縁も無かった人間と国を助ける為に全力で戦っている。
人の幸せを心から願い、人の悲しみに寄り添うことが出来る。そのような美しい心を持つ貴方の価値が、どうしてルフトゥの力に左右されますか。〉
｢─────｣
今までの声音とは異なり、確信してるように強く言われたその言葉が…………どうしてだろう。思わず涙を零すくらい心に響いて、そして………嬉しかった。
｢あ……どうして……ご、ごめんなさい……こんな、急に泣いて……｣
恥ずかしさから顔を俯かせ、ゴシゴシと目を擦って涙を誤魔化していたら、あることに気付いた。
｢………あれ………腕が、というか体が透けてる……!?｣
〈……やはり長くは持ちませんか。あともう少しで貴方は現世に戻れるでしょう。〉
｢ドレスローザに……だけど、今戻っても力が……｣
〈A、貴方の力は枯渇しているのではなくその逆なのです。ですが、それについて今説明する時間はありません。……一時的なものですが、私の力を貴方に授けましょう。きっと、貴方の望みが叶うように……〉
そう言うと、光の玉は私をここに連れてきた時のような眩い光を放ち、玉から女性の姿に変化した。形が変わっただけで顔立ちはよく見えないが、スラッとした綺麗な手が私の頬を包み、互いの額を合わせる。
紋章の部分が熱を持ち、身体中に心地よい何かが流れたような感覚がした。
力を渡し終えた女性は額を離し、どこか名残惜しそうに私の頬をスルリと撫でる。
もう私の足はほぼ見えなくなり、もうすぐでここを去るのだろうと分かった。
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はち.(プロフ) - コメント失礼します。とても面白かったです！いつも更新していただく度に読ませていただいております。またお時間がある時、更新していただけたら嬉しいです！応援しています！ (2021年2月27日 21時) (
レス) id: 37902fbb7c (このIDを非表示/違反報告)
菜の花からし和え - 一気にみました！更新頑張ってください！ (2020年12月16日 20時) (レス) id: 1828f2aa7c (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年10月19日 13時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ缶。 | 作成日時：2020年10月7日 23時
