poorgirl*下手くそ ページ7
南沢「はぁ…はぁ……あー、面白かった…」
｢それはようございましたね!!!｣
南沢「悪い悪い…そんな怖い顔するなよ。というか付けてきたのはお前だろ。」
｢霧野先輩のせいですけどね!!｣
南沢｢霧野…そうか、あいつが…。道理でお前がここに辿り着けたわけだ。｣
先輩の顔からは笑顔が消え、重いため息をついて
正面にいる私を見た。
数日会わなかっただけなのに、先輩の目は初めてあった時のような、随分と暗い色を宿していた。
南沢｢花宮、お前には悪いことをしたと思っている。家から出られなかったと言えば言い訳になるが、直接謝ることが出来なかったしな。｣
｢家から出られなかった?｣
南沢「あぁ。父親に行くなと言われたからな。あの人は元々、俺を海外の学校に行かせるつもりだったから面白くはなかったんだろ。おまけに、婚約者がパーティーに来れるようになったから彼女は連れてくるな別れろ、ってな。全く、ほんと自分勝手な人だよなぁ…。」
自分のこと、自分の父親なのに、まるで他人事のように言う先輩。
継母や姉妹については聞いていたけど、父親も碌でもないのかもしれない。
ただ黙って話を聞いている私に、先輩はこの前車の中で見たような笑顔を向けた。
南沢｢本当に……こんなくだらない、家庭事情に付き合わせてごめんな。きっとここは…お前には窮屈だろ。帰りの車を用意させるから、それに乗って繋君の元に帰ってやれ。きっと寂しがってるぞ。………進、車の手配を頼む。｣
進｢……畏まりました。さ、花宮様。どうぞこちらへ。｣
執事の人は目を伏せて悲しそうな顔をしたが、瞬時に凛とした表情に戻し、私に歩み寄って、微笑みを向けて扉へと促した。
あぁ、この人もだ。
私はふぅ、と息をついて、先輩へニッコリと笑いかけた。
｢先輩、随分と笑顔が下手くそになりましたね。｣
南沢｢………は?｣
突如私から発せられた言葉の意味がわからないようで、先輩は目を瞬かせ、驚いたように私を見つめる。
｢先輩、前はあんなにキラキラと学校の女の子がときめくような、胡散臭い笑顔をしていたじゃないですか。｣
南沢｢………それ褒めてるのか。｣
｢勿論。あの時だって何かしら思っていたのかもしれませんけど、今の何もかも諦めたような、疲れたような顔よりはマシでしたよ。｣
南沢｢………そうか。｣
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あーー(プロフ) - あのもう更新しないのですか？ (2021年5月7日 1時) (
レス) id: d228b33f0e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - ああああお久しぶりです！元Vermutです！！再び更新が見られる日が来るとは思いませんでした…！！頑張って下さい！ (2020年6月2日 6時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶。(プロフ) - Vermutさん» 長らくお待たせしてしまってすみません…!少し時間に余裕が出来始めたので、ちまちま更新していこうと思います!喜んでくれる読者様が1人でもいてくれてとても嬉しいですヽ(；▽；)ノ (2019年1月28日 19時) (レス) id: c5376ee3fb (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - キター!!更新お待ちしておりました！！あああやっぱり最高です！！これからも応援してます！作者様の無理のないペースで頑張って下さいね！！ (2019年1月28日 16時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶。(プロフ) - Vermutさん» コメントありがとうございます！現在忙しいので中々更新できてませんが、落ち着いたら更新するのでその時は是非お読みください！ (2018年7月31日 19時) (レス) id: 661c1f753c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ缶。 | 作成日時：2018年5月26日 15時
