poorgirl*『道具』の1つ ページ4
剣城｢……花宮、こういう世界にとって婚約者とかは有利な手段の1つになるんだ。｣
｢……どういうこと?｣
そう言った剣城の表情は固く、どこかうんざりしたような冷めた目をしていた。
一瞬、いつもの剣城とは別人のような気がして、反応するのが遅れてしまった。
剣城｢霧野先輩が言ったように、南沢さんが望む望まない関係なしに、周りによって婚約者は宛てがわれる。より優秀な血筋、能力、容姿を見定めてな。そうして選ばれた“最優”の相手を使い、自分達の家名を世の中に如何に根付かせられるか。それが大人達には重要なんだ。｣
｢………そんなの、まるで、｣
剣城｢あぁ。『道具』だ。家名の為なら、俺達も、婚約者さえも。いいや、それだけじゃない。全てが道具になり得る。｣
馬鹿げてるだろ?
そう笑う剣城に、嫌じゃないのか。と言おうと開いた口を閉じた。
そんなの、聞くまでもない。
もうきっと、ここにいる人達は幼い頃から分かっっていたんだろう。
しんみりとした空気を壊すように、まあでも。と霧野先輩が明るい声を出して、井吹の肩を組んだ。
霧野｢こいつみたいに可愛い幼馴染が婚約者っていうこともあるから、全部が全部剣城の言った感じではないと思うぜ。｣
井吹｢……アイツの話はやめろ。頭が痛くなる。｣
霧野｢照れるなよ〜。｣
井吹｢本当にやめろ…｣
全然歓迎してるような気はしないですけど。
めっちゃ頭抱えてますけどその人。
霧野｢ま、だからさ。そこんとこは分かってあげてよ。｣
｢……そうですね。2、3発くらいにしときます。｣
霧野｢俺の遠回しに殴らないでって言ったの伝わってなかった!?｣
｢いやだって、なんの説明も謝罪もなく一方的に断られたし、どんな理由があっても美人が婚約者とか普通に腹立たしいじゃないですか。私本当なら今弟と一緒にいる時間なんですけど。｣
霧野｢いや…まあ、なんかごめん。あ、でも、婚約者が美人かどうかはまだ分かんないからね!?｣
何故か霧野先輩が謝る形になり、その場での会話が終了した頃、会場に司会のアナウンスが響いた。
司会｢皆様、お食事や交流を楽しんで頂けているでしょうか?この後、20分の休憩を挟んだ後、ダンスが始まりますのでご準備よろしくお願い致します。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーー(プロフ) - あのもう更新しないのですか？ (2021年5月7日 1時) (
レス) id: d228b33f0e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - ああああお久しぶりです！元Vermutです！！再び更新が見られる日が来るとは思いませんでした…！！頑張って下さい！ (2020年6月2日 6時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶。(プロフ) - Vermutさん» 長らくお待たせしてしまってすみません…!少し時間に余裕が出来始めたので、ちまちま更新していこうと思います!喜んでくれる読者様が1人でもいてくれてとても嬉しいですヽ(；▽；)ノ (2019年1月28日 19時) (レス) id: c5376ee3fb (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - キター!!更新お待ちしておりました！！あああやっぱり最高です！！これからも応援してます！作者様の無理のないペースで頑張って下さいね！！ (2019年1月28日 16時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶。(プロフ) - Vermutさん» コメントありがとうございます！現在忙しいので中々更新できてませんが、落ち着いたら更新するのでその時は是非お読みください！ (2018年7月31日 19時) (レス) id: 661c1f753c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ缶。 | 作成日時：2018年5月26日 15時
