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『っ…!』






久しく嫌な夢を見た。

首元は汗がぐっしょりで、未だに指先がカタカタ震えてる。



スマホで時間を見ると2時半過ぎ。




仕事が全然終わらなくてオフィスに泊まったのがせめてもの救いか、
少し離れたところで寝る川上さんの綺麗な金髪が目に入って少しホッとした。





お茶でも飲もうと起き上がってキッチンに行き、冷蔵庫にあった麦茶を喉に流し込む。




『……ふぅ』





喉を通る冷たさが心地よい。






幾分か気持ちが落ち着いて戻ろうとした時、カタリと扉の開く音がして、思わず息を飲んだ。









『ヒッ……』

「あ、ごめん」

『川上さん…!』







ひょっこりと顔を出したのはさっきまで寝ていたはずの川上さん。



どきどきした心臓がゆっくりと元の脈拍に戻っていく。








『すみません、起こしました?』

「いや、眠れんくて。」







目元を擦る川上さん。


暖かいもん飲む?と聞かれたので頂戴することに。







「記事が終わらん」

『今回結構悩んでましたもんね』

「うん、テーマは大方決まったんやけど…」







あれこれ話しているうちに出来上がったホットココア。


ふわふわあがる湯気と甘い香りに心が落ち着く。

一口飲むと程よい甘ったるさが広がって、さっきまでの恐怖感が薄れてゆく。



冷えきった身体の末端まで解れてゆく感じ…。








『ありがとうございます』

「ん」

『なんか眠くなってきました』

「俺も。体が冷えんうちに寝よ」









寝室に戻って再び横になる。

川上さんも同様に布団に潜り込んだ。






「眠れそう?」

『……はい』








ぽつりと呟かれたその言葉に、ドキリとした。


ああ、多分私が魘されてたのを知ってたんだ。






優しい人だな、なんてつくづく思う。





ホットココアの温かさと川上さんの優しさのおかげで、きっと安眠できるだろう。




少しにやけてしまう口角を隠すように布団を口元まで上げて、そっと目を閉じた。









『おやすみなさい』

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tuki(プロフ) - 更新がんばってください (2020年3月30日 22時) (レス) id: 5c1a883167 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - シャノさん» あけましておめでとうございます!ありがとうございます(;; )今年も何卒宜しくお願い致します! (2020年1月3日 18時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - あけましておめでとうございます!これからも、ファンの一人として陰ながら応援させていただきます。頑張ってください! (2020年1月1日 11時) (レス) id: b2bfb3614c (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - 現実逃避あるふぁさん» ありがとうございます!前作でもコメント頂けて嬉しかったです^^* 引き続き宜しく御願い致します! (2019年11月16日 17時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - あさみさん» ありがとうございます!わー、双子さんなんですね!素敵です´`* ぼちぼちですが更新頑張ります! (2019年11月16日 17時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒイラギ x他1人 | 作成日時:2019年11月15日 23時

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