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その日、柊はそのままうちに泊まった。
こういう事も別段珍しくない。
男女がひとつ屋根の下なんて何が起きてもおかしくないけど、そういうこともない。
少し前に一度だけ、ふくらからこの関係性について聞かれた。
―異性というよりも、兄妹って感じ？−
その質問の答えは否。
確かに感覚は兄妹に近いかもしれないけど、決して柊を異性として見ていないわけではない。
素敵な女性であり、仕事の仲間であり、大学の後輩であり、時には兄妹よりも親密だが恋人には程遠い。
要するに、一言では形容できないし、型に嵌めることもできないような変な関係性。
でも、それが僕らにとっては心地よい。
夜風の吹くベランダで、柊と他愛もない会話を交わすこの時間がたまらなく好きだ。
都心とは違って比較的光の少ないここは、星がよく瞬く。
その下で、最近あったこと、クイズのこと、最近得た知識、悩み事、嬉しかったこと、全てを互いに打ち明ける。
ゆっくりと流れるこの時間と空夜の深い紺色のベールは、僕らの多忙な日々のことを忘れさせて更生させる。
『寒くないですか』
カーディガンに袖を通す柊に「微妙」と返す。
それでも夜の風は確実に僕の体温を奪っていく。
まるで生を吸い取られていくみたいだ。
ふるりと身震いして腕をさすった柊が、ふいにぺたりと僕の頬に触れる。
「冷た」
『河村さんも冷えてるじゃないですか』
「そうかなぁ」
すり、と柊の手に擦り寄ると、そのまま頬と顎を撫でられる。
柊は目を細めてふっと息を吐いた。
『そろそろ寝ましょうか』
「………………そうだね」
そっと窓を閉めたあと、柊はベッドに、僕はひんやりとしたソファに身を沈めてから掛け布団に身を寄せる。
深更の時、薄暗い部屋に響く「おやすみなさい」という声に軽く返事をして、ゆっくりと目を閉じた。
今日はよく眠れるかもしれない。
******
めちゃくちゃお久しぶりの更新でした……ｽﾐﾏｾﾝ
小説の中の季節が夏なのに現実はもう年末……
(;´д｀)ﾄﾎﾎ…
のんびり進めますので季節とか気にせず…何卒よろしくお願いします( ；⌄； )
ヒイラギ
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あんころ - こんにちは、すごく文の雰囲気が素敵で、引き込まれました…！！ヒイラギさんのペースで更新されるのを楽しみに待っています (2020年4月3日 0時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - 燕さん» ありがとうございます！ゆっくりの更新になりますが頑張ります^^* (2020年3月10日 16時) (レス) id: 8efd38389c (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - この作品、とても好きです。更新楽しみにしてます。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 9037981a2e (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - うずきさん» ありがとうございます！嬉しいです^^* (2020年1月24日 21時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)
うずき(プロフ) - 世界観が大好きです！最高すぎます！ (2020年1月24日 1時) (レス) id: c78208ae40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒイラギ x他1人 | 作成日時：2019年9月22日 16時
