TWINS･TWINS

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side yamamoto







『山本さん、お願いがあります』





オフィスで作業をしていると、神妙な顔をしたAちゃんがそう言った。

何だろうと思って首を傾げると、ちらりと小さめの紙切れを手帳から覗かせる。





「チケット？」

『スイーツ食べ放題なんです…！一緒に行きませんか』





小声で聞かれたその言葉に、甘いものが好きな僕はすぐに首を縦に振った。


でも、どうして僕なんだろ？こうちゃんとか、友人とか…僕以外の選択肢もあったはずだ。





「本当に僕で大丈夫なの？こうちゃんとか…」


『実はカップル限定で…。航平だと顔が似てて姉弟だってバレそうだし、これに付き合ってくれそうな男友達もいませんし。
山本さん甘いもの好きそうだなって思って…！』


「なるほどね〜！」

『あと、山本さん、一緒にいて楽しいので』






唐突な爆弾投下に驚いて息が詰まった。


まさかそんな風に思われていたなんて…！



確かに、歳が近いからあまり気を張らなくていい。
これに関しては僕だけの強みだなぁと不覚にもにやけてしまう。



お互いのスケジュールを確認して、明後日行くことに決めた。



人間、何かご褒美があればやる気が出るもんで。
今回は仕事が早く終わって校閲もちょっとだけ手伝った。

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