TWINS･TWINS

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「単刀直入に聞くけど、何があったの？」

「…ごめんなさい、あんな空気になってしまって………」







企画用のカードゲームやら夕食のポテトチップスを買った帰り道。

しゅんと項垂れたこうちゃんはぽつりぽつりと経緯を話し出した。






Aちゃんは今まで記事の入稿が遅れたことは無かった。


仕事も早いし質もいいからこちらは何も心配していなかったんだけど、
最近は学業の方が少し立て込んでいたようで、かなり睡眠時間を削っていたのだという。




忙しいならそう言ってくれたらいいのに、僕らに迷惑をかけないようにと必死だったらしい。






「俺、それなりに声かけてたんですけど、変に意地張って。昨日倒れたんです、あいつ。」

「えっ？！」






無理をしてしまった結果、ついに倒れてしまった。

意識はすぐに回復して大事には至らなかったが、また倒れてしまうと元も子もないと思ったこうちゃんはしばらく安静にすべきだと主張した。






「なのに、記事が書き終わってないって、オフィスに行くって言って聞かなくて。
必死で止めたのに行こうとしたから、俺つい手を上げてしまって…」






今にも泣き出しそうなこうちゃんは、「最低だな、俺」なんて小さく呟いた。


うーん、手を上げてしまったのは確かにダメだ。


でも、AちゃんもAちゃんで無理をしてしまっている。


お互いに意地を張った結果、オフィスで言い合いになった…ということか。







「んー…どっちにも非があることは確かだね。」

「はい…ちゃんと仲直りしたいんですけど…」

「きっとAちゃんもそう思ってるはずだよ。」







そうだといいなぁ、とかなり弱々しいこうちゃん。



なんだかんだAちゃんが大好きで、今回の喧嘩もAちゃんの事を思っての事だった。


コンビニでAちゃんの好物だというスイーツを買って、帰路に就く。









オフィスの前に着いた時に、スイーツが入った袋を握りしめるこうちゃんを見てなんだか微笑ましく思えた。



大丈夫、という意味を込めて背中を押して中に入れる。

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