レモンサワー (ページ1)

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第一話ページ1

⭐︎

22:30 都内某所居酒屋

「『別れよう』って、そんなの自分勝手すぎるじゃん？ねえ聞いてよ」

「聞いてるやん笑、もう同じ話100回聞いてるんちゃう」

ビールジョッキ片手にだるそうにこっちを見る綺麗な目

幼馴染の大毅は私の相談役

今日もこうやって呼び出してこんな時間に愚痴を聞いてもらっててほんとに感謝してる

「＿＿＿忘れられないんだよね」

呟いてみるも虚しく、やっぱりこんなこと話すもんじゃないなとか、図々しくも思ったりしてしまう

元彼と別れて5ヶ月が経とうとしてる。あの地獄の日から。あの日から、私の世界は止まってしまったままで、なんだか空の色もずっとセピアみたい

「好きな人できへんの。はよ忘れやー笑
俺もいつまでこんな話聞いてあげられるかわからへんねんで？」

できてたら苦労しないのよ、とジョッキを傾ける。

時折見せる、大事なものを見つめるような目つきが苦しい。