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『うぇぇーん、うぅっ』
「A様、お庭に来ましたよ」
俺は腕の中でずっと泣いていらっしゃるA様に声をかけながら冨岡と並んで歩いた。いつ見てもお館様のお屋敷の庭は派手に綺麗だと場違いなことを思いながら。
背中をリズム良く叩きながらしばらく歩いていると、A様は泣き疲れたのかいつの間にか寝らっしゃった。
「(派手に子供だなぁ)」
それからは部屋に戻りA様を布団へ寝かしつけ、顔にかかった髪の毛を避けてあげて布団をかぶせた。ほっぺが真っ赤だ。近くに置いてあった水が入った桶とその中のタオルを絞り、A様のおでこにのせる。
「宇髄、A様、呼吸がゼェゼェ言ってるが大丈夫なのか」
ふと、冨岡が言った。よく聞いてみると、確かに息を吸う度にゼェゼェという音がして時にはヒューともなる。すごく耳につく音だ。
「咳もでてんなぁ、一旦あまね様に報告するか。」
「あぁ。」
そう言いながら部屋を出よう襖を開けると、襖の前にはAさまの実姉であるひなき様とくいな様がいらっしゃった。
「ひなき様、くいな様、あまね様はどこへ?」
「今、少し外出していて、、、Aは大丈夫かと様子を見に来ました。」
「そうですか。A様は大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます」
おふたりはそう言い、部屋を離れていかれた。
「宇髄、胡蝶に鴉を飛ばした。」
「派手にナイスタイミングじゃねぇかよ」
ムフフ、と気持ち悪い顔をした冨岡を横目に、胡蝶が来るまでA様の様子を見ていようと俺と冨岡は部屋へ戻った。
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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01
作成日時:2021年8月13日 17時