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『ぎゆ、、、』

そんな声とともに繋いでいた手を握られて俺は目が覚めた。見てみると、頬を真っ赤にしたA様がうるうるしている目でこちらを見ていた。

「?!A様!」

慌てて名前を呼ぶと少し驚かれていたが、その後すぐにいつもの笑顔で笑いかけてくれた。

「A様、すぐ胡蝶を呼んでくる。」

そう言い、部屋を出ようとすると握っていた手をギュッと強く握り『行かないで…』と言ってきたのでしょうがなくそのまま座った。

『きの、A、いのう、使っちゃった』

弱々しい声でそのようなことを言ってくる。そのまま続きを待っていると

『ととさま、怒ってる?』

と言ってきた。

「いや、怒るどころか心配されていた。」

そう言うと安心したように『よかった。』と一言呟かれた。

「それより、俺の事、思い出したのか?」

起きた時、A様はぎゆう、と確かに呼んだ。血気術をかけられてから俺たちのことは忘れていたはずだったが、、、

『全部覚えてるよ。忘れちゃっててごめんなさい』

って以前のように子供っぽく言ってこられて安心した。一息ついていると

「冨岡さーん?なにしてらっしゃるんですか〜?A様の目が覚めたら直ぐに報告するように。と、言っていたはずだったのですが、私の勘違いでしたでしょうかー?」

胡蝶が入ってきた。心外!そう思っていたら

『しのぶ!!!』

体が治っていないも関わらず、急に起き上がろうとしたので直ぐにまた寝せた。

「?!A様?!思い出したのですか???」

胡蝶も驚いているようだった。その後、少し話をして胡蝶が診察すると言うので俺は屋敷に帰ることにした。お館様には、直接伝えよう。

帰り際、A様から『ぎゆ!ありがとう!』と言われたのは嬉しかった。

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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01  
作成日時:2021年8月13日 17時

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