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『お母様、少しお庭へお花を摘みに行ってくるね!』
胡蝶様とあまね様が話している部屋の襖を開けて私はそう言った。
「A、すぐに戻って来なさい。」
『はぁい!』
この頃は体調も崩すことがなくて、少し長く歩けるようになったんだ!それが嬉しくてついつい外に出たくなっちゃうの!
10歳になってからはね、私のお部屋のお花は毎日私が活けてるの。それが毎日の少しばかりの楽しみだった。いつも、活けるお花はお母様か柱のみんなが摘んできてくれるんだけど体調が良い時には私が行くこともあるの!それくらい元気になった!
お庭へ出てみると、今日は満月ですごく月が綺麗だった。お花を探してると、やっぱりおんなじ花ばっかり。そろそろ飽きたな〜って思ってると、ふと思い浮かんじゃった!
『(そうだ、屋敷の前の道路に黄色い小さなお花が沢山咲いてたはず!)』
そう思って、浮き足立っていた私は屋敷の外に出てしまった。
ワクワクしながらお花を積んでいるとだいぶ屋敷の門から離れていた。もうそろそろ戻らないと怒られちゃう、ってしゃがんでいたのを立とうとすると頭上から声をかけられた。
「うわぁ、綺麗なお花だね。どうしたの?」
ドキンっ。なんか嫌な予感がする。
家族や柱、鬼殺隊や隠のみんな以外の人と話すのは久々で少し驚いちゃった。しゃがんだまま見上げると
『(上弦の、弐?)』
その存在を確認した瞬間、身体中が警告を鳴らしていた。早く逃げろ、と。
「あれれ?君、産屋敷家の末っ子ちゃんじゃない??初めて見たけど、すごく可愛いね〜!」
嫌だ。殺される。なんで私の存在知ってるの、って思いながら、
『あなたは、だあれ?』
今逃げたら確実に殺されると思ってそんなことを聞いてしまった。
「やだなぁ、鬼殺隊当主の子供の君が僕のこと知らないわけないでしょ〜。君は、なんて名前なの?上の子のひなきちゃんとかにちかちゃんは知っているけれど、君の話はあまり鬼の中で聞かないから知らないなぁ」
そんなことを言いながら近づいてくる。
『絶対に、言わないもん。』
流石上弦の弐。周りの空気が重い。すごく圧がある。世間知らずの私はそんな状況に慣れていなく、怖くなって涙が溢れてしまった。
「ちょっと、泣かないでおくれよ。怖がらせちゃった?ごめんね」
謝りながら急に頭を撫でてきたから持っていたお花を全部落としちゃった。
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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01
作成日時:2021年8月13日 17時