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7月29日、今日はA様の誕生日。もう生まれて8年も経つのか、と思いながらお誕生日おめでとうと一言言い、Aが大好きな砂糖菓子をあげた。
『ととさま!ありがとう!』
にちかやくいな達に祝われていてとても楽しそうだった。良かった、あの体だが、たくさん笑う子に育ってくれて。そう思いながら自室へ戻り、引き出しの中から1つの書物を取り出した。そこにはこう書いてあった。
昔、Aとそっくりな子がこの家に居た。その子はAと同じく、天真爛漫でよく笑い真っ直ぐで素直な、でも異能の持ち主であった。その子の名はいちかと言った。ただ、成長するにつれ、自分の貧弱な体を嫌い、ずっと寝て過ごさねければならなかったことを恨んでいた。16歳の誕生日を迎えた年、高熱で寝込んでおり、体調を気遣い誰も直接祝いに行かなったせいか、自分はもぅみんなから嫌われたのだと勘違いをし家出をした。そして、そのまま鬼に、、、。人々は酷く悲しんだが、その半年後、いちかは鬼になって現れた。誰も手が付けられないほど強くなっており、上限の弍の童磨の妹として過ごしていた。自由に動き回れる体を大層好み、鬼になってよかったと泣いて喜んでいた。産屋敷家から鬼が出たという責任を取り、その時の当主家は切腹した。
私は心配だった。Aがそんなことにならないか。自分の体を恨まないか、周りの人々を恨まないか、鬼になりたいと、願わないか。
過去の過ちを二度と繰り返さないためにもAのことは近くで支えていきたいと強く思っている。
どうか、Aがこれからも笑顔で過ごせますように。
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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01
作成日時:2021年8月13日 17時