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「そうかい、Aは喘息まで発症してしまったのだね」
「っ!·····何も出来ず、申し訳ございません」
「しのぶが謝ることじゃないよ。」
喘息のことを話すと、お館様はとても悲しそうだった。A様がこんなになってしまったのを、自分の病気が治ったのと代償だと思ってらっしゃるのだと思います。何も出来ない自分が悔しくて、その場で俯いていると
「しのぶ、これからもAの体調のこと、よろしく頼んでもいいかな?」
お館様に言われた。
「御意。」
少しでもA様が普通に暮らせるのなら、私は何でもしようと誓ったのだ。
「ありがとう、しのぶ」
私はその一言を聞いて屋敷を出た。
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俺は胡蝶がお館様の所へ話に行っている間、冨岡も帰ったので1人でA様が寝ている隣で座っていた。庭から鶯の声が聞こえる。
この世の中は不平等だ。鬼に食われ、幸せな生活を奪われる人が沢山いる。そのような思いをした人が集まって人々を守るのが鬼殺隊の仕事だ。鬼の被害は防げる。だけどなんなんだ。貧弱な体や病気は治せないとは。なぜ、なんの罪もないA様のような人がこんなことにならなければいけないのだ。目の前にいる、小さな少女を見つめながら俺は1人で悔しくて拳を握った。
『てん·····げ、ん?』
「っ!!!A様!!!」
そんなことを考えていたら、A様が目を覚ました。
『自分を、責めないで。私の体のことは誰のせいでも、ないんだから』
心を読まれてしまった。流石お館様の子だと感心しながらも、こんな小さな子に慰められたことが恥ずかしくて少し動揺してしまった。
「ありがとうございます、A様。体調どうですか?」
A様に気遣われて思わず敬語になってしまったのを、A様はふふっと大人気に笑い一言、『大丈夫』と言われた。
しかし見るからにまだ熱が高そうなので俺はもう一度寝るよう促して定期的なリズムでトントン、と叩いているとまた深い眠りにつかれたようだった。
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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01
作成日時:2021年8月13日 17時