Story 249 ページ50
宏「しっかりしろ」
ふわふわとした感覚から目が覚め
声のする方を向くととても怒った顔をした兄
目をグッと見開き、仁王立ち
普段は温厚で滅多に起こらないからこそ
これより怖いものはないってほど怖かった
「ごめんなさい」
今、宏ちゃんを見るとまた泣いてしまいそうで
慌てて目をそらす
すると、そらすな。そういうように
私の前に回り込んできた途端
ばちん、と甲高い音が
「…っ」
ジンジンと痛む頬
私の顔の近くにある宏ちゃんの手
自分の頬を叩かれたんだと気づくのにそう時間はかからなかった
私に手をあげることは初めてで
ことの重大さを思い知らされる
宏「心配させんな、バカが」
「ごめん、なさい」
宏「無事でよかった、本当によかった」
やがて目をフリャリと下げて
そう呟く宏ちゃんは
私をきつく抱きしめ、完全にもう兄だった
妹を心配する兄の顔だった
宏「A、ごめん
俺、気まずくなるのが嫌で無理して普通にしようとしてた
だけどAはそれが余計にキツかったんだよな」
どうしたそんなになんでもわかってくれるの？
口からでかかった言葉を飲み込むように
下唇をグッと噛む
宏「そんなこともわからずに無神経な態度とって、Aが飛び出したくなる気持ちもわかるかもしれない」
そう続けた宏ちゃんは
困ったように眉を下げて笑った
宏「だけど、もう…」
「言わないで…」
宏「え？」
「好きでいるのやめるって言おうとしてるんだよね？自分勝手でごめんなさい、だけどそれは言わないで、お願い」
宏「…わかった」
「私もごめんなさい
心配かけて…そして嘘もついて」
今にも泣き出しそうな私の顔を覗き込み
不思議そうな顔を見せる
「本当はね…」
絶対に言わない
そう決めてたはずなのに
言わないなら後悔する
そう誰かに言われてるような気がして
まだはっきりしない意識の中、私は喋り出した
.
ご無沙汰してます、夏叶です
あぁ気づけば50話到達
本当はパート5で完結の予定でしたがダラダラと書いてしまいました、申し訳ありません。
というわけで近々、移行いたします！
パート6でも宜しくお願いします
お帰りの際は評価とお気に入り登録
お願いいたしますね♡(やかましい)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏叶(プロフ) - 柚子さん» コメントありがとうございます！そんな言っていただけるなんてすごく励みになります…！これからも応援のほど、よろしくお願いします（＾Ｏ＾） (2018年11月17日 18時) (
レス) id: 9cfdb559df (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませていただいてました。続きが早く読みたいです。更新楽しみにしてます。 (2018年11月17日 18時) (レス) id: 37ffaec80c (このIDを非表示/違反報告)
夏叶(プロフ) - ゆにこーん。さん» ゆにーこん。さん、ありがとうございます！あと少し頑張りますので、応援よろしくお願いします（＾Ｏ＾） (2018年10月23日 23時) (レス) id: 9cfdb559df (このIDを非表示/違反報告)
ゆにこーん。 - 続きも楽しみにしてます！ (2018年10月22日 22時) (レス) id: d37c71db87 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏叶 | 作成日時：2018年10月16日 1時
