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あれから、半年が経った。
ひざしにいちゃんは明らかに私を避けていた。
休みの日は出かけるか部屋にこもりっぱなし。
晩御飯はさっさと食べて自室に上がってしまう。
無視をするわけじゃないけど、どこか素っ気ない。
私と目を合わせようとしない。
理由なんて聞けなかった。
めんどくさい女にはなりたくなかったから。
困らせたくなかったから。
けどそれ以上に、嫌われることが、これ以上距離を置かれることが怖かった。
今はちょっと避けられているだけで、また元に戻ると思いたかった。
……そう、思いたかったのに。
「……え？ 引っ越し……？」
「そうよー。 年明けあたりから考えてたらしいんだけどね、やっといい物件見つかったから引っ越すって。 理由聞いたら『俺の勝手だろ』なんて反抗的なこと言うから、もしかしたら彼女出来たのかもねえー」
「……どこに引っ越すの？」
都内だけど、ここからは少し遠い場所だった。
一気に絶望に叩き落とされた気分だった。
右手に下げたひざしにいちゃんの誕生日プレゼントが、いやにその存在を主張してきた。
信じられなくて、プレゼントも持って二階に行く。
突き当たりにあるひざしにいちゃんの部屋。
この部屋にいるときは、あまり近寄らないようにしていた。
一人の時間も大事かと思って。
けど、こんなことになるなら、そんな気遣いしなきゃよかった。
「ひざしにいちゃん！！」
ノックもせずにドアを開け放つ。
部屋には段ボールだらけで、閑散としていた。
嘘じゃないことを思い知って、また絶望に突き落とされる。
「よお、そんな急いでどうした？ あ、この前は誕生日ラインサンキューな！ Aのライン、彼女のよりも早かったわ」
「……彼女……？」
「そ、俺彼女出来た。 すっごい可愛い、写真見るか？」
母さんにはまだ黙っててな、と言いながらスマホを取って、おそらく写真を探しているひざしにいちゃん。
彼女って、なに。
引っ越しって、なに。
頭を鈍器で殴られたような衝撃に、私の感情はついていかなくなった。
「いやだよ……」
「……」
「やだ……引越しなんてしないでよ！ ここにいてよ！！」
しゃがんでスマホを片手に固まった。
「なんで彼女なんて作ったの？ なんでっ……」
「……」
「キスしてきたくせに……」
「……」
「初めてだったのに、責任とってよ！」
涙がポロポロ溢れてきて、頬を伝って床に落ちる。
もうなんでもいい。
お願いだからここにいて。
他の女のところになんて行かないで。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
