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「んー……」
頭をガシガシ掻いて唸った。
口がへの字になってる。
「……好きじゃない？」
緊張と泣いたせいで冷たく汗ばんだ左手で頭を掻くひざしにいちゃんの手をとって、頰に擦り寄せておねだり。
わあ、私あざとい。
こんなことするのは、これまでもこれからも絶対にひざしにいちゃんだけだろう。
揺らいだ瞳に内心ガッツポーズを掲げる私。
けど、ひざしにいちゃんはこんなことでいちいち赤面したりなんかしないし、攻略できたりしない。
それが出来たらきっともう堕としてる。
それでもって、今よりもっと危ない橋を渡っている。
「どこでそんなの覚えてきたんだか……」
ひざしにいちゃんを堕とすために読んだ恋愛漫画とwebサイトでだよ。
脱力したよう言っているけど、目はしっかり私を捉えていて……少し、いつもと違う。
形容しがたいけど、これが俗に言うオトコの目？
ひざしにいちゃんの目に、今私は女として映ってる？
なんだか逸らせなくって、じぃっと見つめ合い。
キス出来ちゃいそうな距離で見つめ合って、ちょっと変な気分になった。
ムズムズというかソワソワというか。
落ち着かない。
見つめ合ったいたけど、ふ、とひざしにいちゃんの視線が逸れて視線が下に行く。 私もそれを辿って下へ。
二人の視線の先には、繋がった手。
手を繋ぐことなんて今更なのに。
私たちのお腹とお腹の間に手を持ってきて、いつも私がするみたいに私の手に触れた。
横爪で、すらりと伸びた指先。
浮かんでいる血管が妙に色っぽい。
大きな手が私の両手を包んで、撫でてを繰り返して。
片手で私の手を包んだかと思えば、グッとそのままひざしにいちゃんの方に引かれる。
不意のことで、私はひざしにいちゃんの体に逆戻り。
肩に鼻ぶつけた痛い……
「A、」
耳元で名前を呼ばれて、肩がびくりと反応する。
低い、掠れた声。
多分、地声。
「好きだよ」
「……っ」
まさか、こんな風に言われるなんて。
ぎゅっと抱きしめられて、囁くように耳元で言われた。
体の芯がきゅんって疼いて、思わず顔がカッと赤くなる。
一瞬甘い電流が走ったみたいで、すっかり指先が痺れてしまった。
耳の奥で心臓の音が聞こえて、体が一気に熱くなる。
触れて欲しい。
もっと。
抱かれたい。
一気に溢れてきた想いはそんなものばかりで、骨抜きになった我が身を恨んだ。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
