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「ひざしにいちゃあん……」
「A、そろそろ」
「やぁ、まだ待ってぇ……」
いつもと違う雰囲気に、私の猫撫で声。
ひざしにいちゃんの膝の上に座って、首に腕を回した状態。 今までで一番近い。
正直言って心臓破裂しそう。 絶対顔赤い。
私の甘えるような声にひざしにいちゃんはびくりと反応して、困ったように溜め息を吐いた。
けどそれでも無理矢理引き剥がしたりしない。 そういうところも好き。
もう全部好きなんだもん。
私の髪を指に巻きつけてくるくる遊んでる。
ふ、と斜め上を見たら至近距離で目が合う。
キス出来そう。
「目、真っ赤」
私の瞼の上を、そっとなぞった。
涙で滲んだ視界。
潤んだ目も、こんなに真っ赤じゃひざしにいちゃんを動揺させることはできない。
「もっかいぎゅってして……」
「……こう？」
「うん……」
お母さんと喧嘩した。
年頃だもん、よくあること。
自転車で十分、おばあちゃん家に来ておばあちゃんに泣きついて、お話を済まして、普段は滅多に入らないひざしにいちゃんの部屋まで行って、ひざしにいちゃんにも泣きついた。
最初は、会ってちょっと話そうってぐらいにしか思ってなかったのに、いざ会うと安心して涙がボロボロ溢れた。
動揺するひざしにいちゃんを見て、私の小賢しい部分が囁いた。
この状況、逆手に取っちゃえ。
そしてひざしにいちゃんって泣き付きながら、ベッドに座るひざしにいちゃんの膝の上に座った。
私ってば悪い子。 けどもうそれは今さら。
さすがに驚いて何かを言おうとしていたけど、涙を見たら何も言えなくなったらしい。 優しく抱きしめ返してくれた。
泣いてるのは本当だった。
お母さんと喧嘩して悲しかった。
棘のある言葉が、この胸に刺さって抜けない。
だから、ひざしにいちゃんに慰めてもらう。
心を……叶うなら体だって。
あなたになら喜んで捧げるのに。
最高に不毛だ。
「まーちゃんも心配してるぜ？ 明日も学校だろ？」
まーちゃんは、お母さんの愛称だ。
まさえだからまーちゃん。
ひざしにいちゃんはひーって呼ばれてる。
本人は嫌がってるけど、可愛いからたまに呼んでからかう。
「家に帰ったらお母さんと二人だもん……ひざしにいちゃんと二人の方がいい」
「おいおい……」
呆れたような声。
「A」
顔を上げる。 翡翠の瞳に映り込むのは私だけ。
「もう今日は送ってってやるから、ちゃんとまーちゃんとも話しつけて。 な？」
「……好きって言って」
「……」
「ひざしにいちゃんが、好きって言ってくれたら頑張れる。 お母さんとも仲直りできる」
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
