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「で、なんだ話って」
先輩の都合により日曜日の昼。
雄英付近にある喫茶店で、昼食を食べながらという運びになった。
休日かつお昼時なので家族連れが多い。
先輩はお冷を一口ゴクリと飲んで、私には目もくれずに言った。
ハムサンドを食べるのをやめると、カバンの中から以前の記事を取り出す。
「御手数ですが、まずこちらを読んでいただいて構いませんか」
「……」
私の他人行儀な言い方に、かつサンドを食べる手を止め、渋々というように先輩が記事を手に取る。
読み始めてすぐつぶやいた。
「結構前に俺が受けたインタビュー……なんでこれを」
「同僚が記事作成の参考に、と」
「……」
沈黙。
先輩は私を見つめたまま固まっている。
「なんで私には言ってくれなかったのに、他の人には言うんですか」
「……」
「私はずっと、先輩のことが……」
「A」
ほらまた。
そうやってあなたは、私の想いを潰していく。
残酷に、丁寧に。
「今度は、言わせてすらくれないんですか」
「……」
「七年前は知らんぷりで、この前は言う機会すらくれなくて。今日は……言わせてすら、くれなくて」
「……A、」
「私の想いも、少しは考えてください……」
涙が薄い膜を張る。
一つ瞬きをすれば、想いと一緒に涙も溢れてしまいそう。
じっと、一心に先輩を見つめる。
静かに、抑えきれない涙が頬を伝った。
「おまえの想い、な……」
私から視線を逸らすように俯いた。
「俺はおまえのことを一番に尊重したつもりだった。……たとえおまえの気持ちを無下にしていたとしても」
「……え？」
「じゃあ逆に聞くが、おまえはどうしたいんだ」
先輩の目が私を捉えた。
イマイチ状況が理解できないまま、考える。
顔がカッと赤くなるのを感じた。
「先輩の……特別な人になりたいです」
言葉にして、あらためて恥ずかしくなった。
耐えられなくて俯く。
数秒の沈黙後、困り果てたように、先輩は溢した。
「はあ……もう色々わけわからん。お手上げだ、三十路のおっさんには到底無理だ」
降参と言うように、脱力するように背もたれに体を預けて頭をガシガシ掻いた。
それを見て私は頭にクエスチョンマークを浮かべる。
先輩が何を言っているのか、私もよくわからない。
「恋人、いるんじゃなかったのか」
「え？ なんでそうなるんですか？」
聞けば、先日私が男の人と繁華街を歩いていくのを見たらしい。
スーツで長身。私はその人に掴まっていたとか。
ん？？
……その人って大野さんじゃん！
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
