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「見て、大野さんの首筋」
楓がひそひそ声で話しかけてきた。
言われた通り見る。「……あ」
「あれは一体、誰につけられたんだろうね」
控えめに咲いている紅い華。
まるで、彼は私のものよと主張しているようで、なんだか怖くなった。
脳裏に浮かぶのは、相澤先輩。
先輩の首筋に私以外の鬱血痕。
耐えられない。
くすぶる醜い感情が、静かにそう訴えた。
それから一週間も経たない内に、先輩と会う予定を取り付けた。
本当はおしゃれしていきたいけど、一応仕事だからと割り切って前と同じのパリッとしたスーツにうすーいメイク。
まあ、変えたところで先輩気付かなさそうだけど。
今回を含めてあと取材は五回。
そのうち一回は記事を書いたあと確認だから、実質四回。
あと四回で私が先輩を落とす……
どう考えてもムリゲーじゃん！
けど、先輩が私以外の女性と抱き合ったりキスしたり、それ以上のことをするなんて嫌だ。
嫉妬深い？
恋する女の子はこんなものなの！
今日は土曜日で、午後からのヒーロー活動を取材させてもらう。
初めて見る先輩の�爛辧璽蹇辞畛僂悗離疋�ドキ、ワクワクと、
この前のことがある手前、緊張が入り混じって複雑な気分。
「あ、先輩」
約束場所の駅前で、時間ぴったりに来た。
学生時代のコスチュームと、あんまり変わっていない。
相変わらず真っ黒。
「こんにちは、今日はよろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる。
「ん、よろしく。……つっても、前にも言った通り基本パトロールだぞ。ほんとにそれでもいいのか」
「前にも言った通り、問題ないです！」
私がニシシッ、って感じに笑うと、先輩も少しだけ目を細めた。
んじゃ行くか、と歩き出す先輩に、メモと、ポケットにボイスレコーダーを入れて付いていった。
まるでなかったことのように振る舞う先輩に、確かな胸の痛みを覚えながら。
パトロールしながらいろんなことを話す。
高校出てすぐ独立して事務所を設立したときどうだったのか、とかヒーロー界では有名な『イレイザー・ヘッド』だけどどうしてメディアに出ないのか、とか。
一記者として割り切って、そこらへんのメディアと同じように遠慮なく質問する。
先輩はそんな私にたまに視線をやりながら淡々と答える。
オンレコの私たちの間に、私的な会話はない。
昨夜の真意も、もちろん聞けない。
「───
小さな舌打ちをして駆け出して行く先輩を、私はカメラのフィルター越しにただ見ていた。
素早い動きで
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
