一番の宝物 ページ26
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箱を開けると出てきたのは、欲しかった香水だった
死ぬ程嬉しい筈なのに、あまりにも驚きすぎて声も出なかった
動揺しすぎて落としそうになった。勿論死ぬ気で踏ん張った。
言葉を発する事が出来ず、ただただ口をパクパクしている私を見て、松田は満足そうに笑っていた
『これ……………』
｢勿論お前宛てだ｣
『どうして…？』
今日は本当になんにも特別なことはなかった筈だ
私の誕生日でもなければ、記念日でもない
バレンタインなんて全然先の話だ
感謝されるような事をした覚えもない
それなのに一体どうしたと言うのか
松田の突然のプレゼントに困惑しきった私を、松田は面白そうにケラケラと笑う
そして何を思ったのかサングラスを外すと、私の視線に合わせて屈んでじっと顔を見つめてきた
松田の顔をそんなにじっくり見る機会がないってのもあるが、大好きな人に見つめられて照れない人間はいない
『な、なに…？！』
すっかり動揺しきった私は松田の顔を見つめる事なんて出来ず、顔を真っ赤にして目を逸らしてしまう
いつものツンツン綾瀬どこ行った？！と自分でも思ってしまう程に感情が素直に表情に現れてしまう
両手で顔を覆いたいのに、松田がしっかり腕を握ってしまっているせいで叶わなかった
必死に目を逸らすことしか出来なくて、羞恥で顔が発火しそうになる
そんな私の反応を堪能するかのように、松田はさっきからずっと私を見つめっぱなしだ
『……あんま見ないで』
｢それは聞けねぇお願いだな｣
『……なんで、これを私にくれるの？』
全く辞めてくれそうにないので、諦めて松田に気になっていた事を聞く
｢そりゃあお前、喜んで欲しかったからに決まってんだろ｣
その言葉に嘘偽りが無いことは目を見ていれば分かった
なんなんだコイツ
いきなり素直になりやがって
こんな顔で言われちゃったら、もう受け取る事しか出来ない
『高かったでしょ』
｢まぁな｣
『…でも私、ちゃんと欲しくないって言ったよ？』
｢はっ んな嘘バレバレだわ
何年一緒にいると思ってんだよ｣
得意げに笑う松田があまりにも愛おしくて
私は思わず抱き着いた
『…………ありがとう』
｢…おう｣
普段素直になれない分、素直に感謝を伝えた
この瞬間から、この香水は一番の宝物になった
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ひぃな(プロフ) - あやなさん» コメントありがとうございます！長い間レス出来ずに申し訳ございませんでした！！少しずつにはなりますが、更新していけたらなと考えております！ (2023年4月9日 1時) (
レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - 毛布さん» コメントありがとうございます！レス遅くなってしまいすみませんでした…！！嬉しすぎて泣きそうです…ありがとうございます🥲ゆっくりにはなりますが、更新していきたいなと考えております！！ (2023年4月9日 1時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - めっちゃ続き気になります、、、 (2023年2月23日 20時) (レス) @page41 id: 98bb3c9760 (このIDを非表示/違反報告)
毛布(プロフ) - 普段ログインやコメントとは縁のない人間なんですが、面白すぎて、ページ進めるのがおしくなったり、凍結じゃないことを祈ったり、、。もう大好きな作品です！ありがとうございます！色々お忙しいとは思いますが、またお手隙の際はその文才供給お待ちしてます！😭 (2022年9月20日 14時) (レス) id: 438f9ebfc7 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - エリザベス女王さん» コメントありがとうございます！可愛いさは書く際に意識したポイントなのでご指摘いただけてとっても嬉しいです〜！！更新ゆっくりになりますがこれからもよろしくお願いします！ (2022年8月9日 11時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃな | 作成日時：2022年6月23日 0時
