7年経ったのに未だに関係が曖昧すぎる件。【名探偵コナン】【松田陣平】

欲しかった言葉 ページ24

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｢…で？今度は何があったんだ？｣





降谷はなんだかんだ優しい




萩原はそもそも配属が違うし、班長はなんかこう、ナタリーさんと幸せな結婚生活を送っているせいで相談しづらい




ヒロは中々会えないし




そうなると消去法で降谷しか残らないけど、降谷は結局話を聞いてくれるし相談にも乗ってくれる





友人がいない私にとって、降谷はかなり重宝すべき人間だ







『驚かないで欲しいんだけどね、』





｢なんだ？言ってみろ｣





『松田の頬引っぱたいちゃった』





｢………ついにか｣





『ついにって何だよ』






結構なカミングアウトだと思って話した割に、降谷は案外普通に呑み込んでいた





というか、想定内みたいな反応されてムカつくんだけど






『驚かないの？』





｢逆に驚くと思うか？


警察学校時代から喧嘩ばっかりだったじゃないか｣





はぁ…と溜め息を吐かれる




くそ 正論すぎて何も言えない






｢原因はなんだ？｣





『……松田が私の変化になんっにも気付いてくれなかった』






｢なんだそんな事か？



お前達の事だからとうとう浮気問題にでも発展したのかと思ったんだがな｣





『そんな事……』





降谷の言葉に思わず反応してしまった





他人の降谷から見たら私の怒りの沸点なんて“そんな事”の一言で片付けられてしまうのも無理はない




松田でさえもそう感じたのだから




でも、私にとってはかなりのダメージだったんだ




悲しいよねそりゃ



大好きな人の気を少しでも引きたくてやった事なのに、全く振り向きもしてもらえなかったなんて







『……松田に少しでも気付いてもらいたかったんだ



実際、どこが変わったのか指摘してもらえなくても｢なんか違うな｣って一言が欲しかった』





でもそんな言葉は一切見当たらなかった





ただただ｢お前なんかに興味はねぇ｣と遠回しに告げられているようだった






松田がこういった事にめっぽう弱いのは知っている




親友である萩原が、少し髪を切ったくらいじゃ気が付かないほどに




鈍感すぎて困ってしまう






だから見た目では判断できなくても、香りくらいは気付くんじゃないかって思ってた





あの香水は、私にとっての宝物だったから

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