7年経ったのに未だに関係が曖昧すぎる件。【名探偵コナン】【松田陣平】

涙には弱い ページ21

.









強く言っちまった自覚はあった





勢いに任せて放った言葉は俺が思っていたよりも刺々しかった





だけど俺は、綾瀬だから大丈夫だと根拠の無い解釈をしていた





綾瀬だからまた突っかかり返してくるだろうと踏んでいたんだ





これはいつもの口喧嘩の延長線上であっていつも通り言い合いになってまた流されるだけ










…だが、アイツはいつまで経っても何も言ってこなかった






そんな綾瀬を不審に思い、そっとアイツの顔を見る











綾瀬は大きな瞳からぼろぼろと涙を零して声も出さずに泣いていた






｢は………？｣





目の前の状況に理解が追いつかなかった





綾瀬の涙に抵抗が滅法無い俺は、ただただ頭を働かせることに必死だった






｢…ちょっ、おい…ｯ！」






漸く使い物になった脳みそが“今の状況はマズい”とだけ指令を出す





俺は咄嗟に綾瀬の腕に手を伸ばした






………が、俺の手は綾瀬の腕を掴む前に張本人によって弾かれた





はっきりと拒絶されたと分かった途端、胸の当たりに息苦しさを覚えた






綾瀬は無理矢理袖口で目元を擦り、キッと俺を睨みつけた






『………ｯさいてー…！





………暫く顔見せないで』






それだけ言い捨てると、アイツは鞄を引ったくり、逃げるように玄関へと急いだ






綾瀬が勢い良く俺の横を通り過ぎた時、ふわっと何処かで嗅いだことのある匂いが鼻を掠める





綾瀬は基本香水を付けない奴だ





いつもは柔軟剤やら綾瀬特有の爽やかな匂いを纏っているアイツからは決してしない、香水の、、







｢………ｯ！おい待て……っ！｣







俺が呼び止める声は虚しく、扉が閉まる音だけが響いた






完全に閉まった扉を見ると、ずるずると足の力が抜けてしまった





｢……やっちまった｣







一瞬だがアイツから香ったあの香りの正体は、紛れもなく香水だ







それも、俺が直接アイツに贈ったものだった






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



評価数300票とか何事ですか？？？



私賄賂やってないんですが？？



こんな頭緩々作者の作品がここまで多くの評価が貰えるなんて本当に嬉しいです！！！



また、たくさんのお気に入り登録も毎日喜んでます！




質問もご協力ありがとうございます！！まだまだ募集中ですので何個でも大丈夫です！




これからもよろしくお願いします！




ひぃな

心身共に不安定すぎる→←高難易度な間違い探し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す