【名探偵コナン】私は1人じゃ生きられない。【松田陣平】

23 ページ27

.








間違いなく田中くんは陣平の隣の女の子を指指していた




ショートカットのよく似合う、小野班長とはまた違ったイケメン系女子





何やら話しているようにも見える




手足の長いその子は見るからに速そうだ





ハッと今のリレーの順位を確認する




現在バトンは7走目のヒロくんに渡っていた




ヤバいもう少しで8走の降谷にわたる




そうなると陣平に渡り、すぐ私に回ってくる





順位は2位で隣の教場が1位




ほぼ互角だからこれからいくらでも覆りそうだ




3位以降は多少離れてはいるが、油断は出来そうにない




つまり、私達後半走者にかかっているという事だ







｢はっ……頼んだゼロ…！｣




｢任せろ！｣





目の前で2人のバトンパスが行われ、ゼロが凄い速さで走って行った




はぁはぁ…と肩で息をするヒロくんに『お疲れ様！』と声を掛ける





｢ごめ……やっぱり俺追いつけなかった…｣




『そんな事ない。ヒロくん速かったよ！


一緒に降谷応援しよ？』




お疲れのヒロくんをゆっくりと座らせると、私達の応援席から大きな歓声が上がった




どうやら、降谷が1位を越したらしい




テイクオーバーゾーンに近づく降谷を見て慌てて私も自分のスタートラインに立つ





｢いけー！！！！！！｣



｢松田ー！！！！！｣





『陣平…！』




陣平へとバトンが繋がれる



バトンパスは見事に成功し、私の元へどんどん迫ってきた



その後ろで例の女の子も異次元の速さで陣平の背中を追い掛ける






｢はは…どうやら俺達アンカーが勝敗を決めることになりそうだね｣




苦笑を浮かべる田中くんに『そうだね』と小さく返した





｢君も大変だね。アンカー任されるなんてさ



女の子にアンカー任せるなんて、任せた奴俺らのこと舐めてるでしょ｣




失言に気がついていないのか、それとも嫌味のつもりで言ってるのか分からないが、田中くんは緊張の瞬間が近づいていると言うのに饒舌だった





ついに陣平がテイクオーバーゾーンに差し掛かろうとしていた





『＿＿＿＿＿＿＿田中くん』




｢ん？｣





『私の大事な友人らの事、』





陣平がテイクオーバーゾーンに入る





『バカにした事、一生後悔してな＿＿＿＿』





｢A＿＿＿＿＿＿ｯ！！｣





陣平が私の名前を呼んだところで一気に走り出す




そしてここぞのタイミングで手を伸ばせば、確かにバトンを渡された





｢切れよ ゴールテープ｣


『勿論』

24→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す