【名探偵コナン】私は1人じゃ生きられない。【松田陣平】

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『…………はっ？！』





ハギが私に手を差し伸べる



私の横にいる池田さん達は黄色い歓声をあげていた






｢まあ、君に拒否権はないんだけどさ｣




『ちょっ……！』





思いっきり手を引かれ立ち上がるとそのまま手を繋いでゴールまで全速力で走らされる




お題を聞く暇も与えずに私達は一着でゴール






｢萩原くん お題はなんですか？｣




解説担当の生徒がハギに向かってマイクを向ける



ハギは肩を上下させながらも爽やかな笑みを浮かべている




応援席に目をやると、何やら祈っている女の子の姿があった




お題が“好きな人”でないことを願ってるんだろう






｢お題は……




“一緒にいるとドキドキする人”でーす！｣







周囲から一斉に悲鳴や黄色い歓声が撒き起こる





遠くの方から｢おいハギ！！巫山戯んな！！！！｣と陣平の声が聞こえた




｢萩原くんそーなの？！｣｢松田さんが好きだったなんて勝ち目ないじゃん！！｣と女の子達の悲痛の叫びも飛び交う




はぁ…と、溜め息を零す




問題発言をした張本人は痛くも痒くもなさそうにただ笑っていた







｢それはつまり…？｣




実況者が深掘り質問をする




｢Aちゃんは俺に対して辛辣でよく脅迫するんで、いっつも俺の心臓ヒヤヒヤドキドキさせるAちゃんがこのお題にピッタリだなーって考えになりました｣





そう答えた瞬間、周囲の女の子達はホッと安堵の表情を浮かべていた





鬼塚教場からは笑い声も聞こえた





小野班長の笑い声だな そんなに笑わなくてもいいのに






｢あれ Aちゃん怒ってる？｣




『別に？』




｢えーてかAちゃんさ、俺がお題答えた瞬間の反応すっげー薄くなかった？｣





『お題言われた時点で大体想像ついたもん


ハギが女の子ウケ悪くなるような事する筈ないでしょ？』




｢すっご。よく俺の事分かってんね！



てっきりAちゃんって陣平ちゃんの事しか見えてないもんだと思ってた｣




ケラケラと笑うハギ



何言ってんだコイツは






『ずっと一緒にいる幼馴染みなんだからそれくらいの事分かるのは当然でしょ？何年一緒にいると思ってんの


ハギの考えなんて私と陣平にとっては超分かりやすいんだからね！』





ツン、とハギのおでこをつつき一足先に自分の席に戻る




陣平のレースはこれからなんだから













｢…………そっか｣






ハギが嬉しそうに微笑んでいたのを私は知らない

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