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夕食を食べに食堂へ向かうと、目立つ金髪を見つけた
他の卓にしよ……とキョロキョロと辺りを見渡すが、時間的にどこも混んでいて彼の隣しか空いていないようだった
仕方ない 朝の事も後味悪いし、ついでに謝ろ
恐る恐る金髪……降谷の隣に座ると、降谷は一瞬驚いた表情をしたが状況を察したのかすぐに箸を動かし始めた
混雑していることもあってあちこちから話し声や笑い声が響いているのに、私達の間には沈黙が流れていた
『…………昼間はお疲れ様』
あまりの気まずさに耐えられなくなり、私から口火を切ると降谷は「……あぁ。」と歯切れの悪い返事を返した
多分、私から話を切り出すなんて思ってもいなかったんだろう
『昼間、伊達班の皆が誰よりも早く状況を把握してそれぞれがすぐに役割を見つけていた』
「そうだな」
『……私はただ、他の教官を呼びに行くことしか出来なかった
自分で何とかしようなんて、焦って考えられなかった』
私が他の教官を呼んできた頃には、もう鬼塚教官の救出は終わっていた
降谷は陣平が組み立てたと思われる銃を握っていて、他の3人もそれぞれが自分のやれる事をやっていたんだと思う
他力本願な私とは違う、と突き付けられているような気さえした
『何より、陣平が遠い存在に思えた』
これをとても痛感した
昨日まで隣にいたはずの彼が、こんな1日であっという間に置いてけぼりにされた気分だった
『何かあるといつも冷静さを欠いちゃって、そんな時はいつも陣平が隣で落ち着かせてくれたのに、今日は違った』
陣平が離れていくような気分だった
ギュッと胸が締め付けられるような感覚がして、上手く息が吸えなくて
でも私にもどうにかしなきゃいけないのは分かっていて、とった行動は必死に走って他の教官を呼びに行っただけ
改めて思い出すと情けなさすぎて泣けてくる
私の箸を持つ手は完全に止まっていて、夕食を口に運ぶ気さえも起きなかった
「顔を上げろ」
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ひぃな(プロフ) - 凡人さん» コメントありがとうございます!一気読みしてくださったんですか!?好きすぎるなんて嬉しいです(;_;)更新頻度不安定にはなりますが、これからも頑張りますので読んでいただけると幸いです!! (2022年6月14日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
凡人 - コメント失礼します!作品好きすぎて一気読みしちゃいました〜!続きが楽しみです、無理のないように更新頑張ってください!応援してます💪 (2022年6月14日 22時) (レス) @page40 id: a488a8e9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます!続きを読みたいと思ってくださるような作品を書くことができて嬉しいです!作者は学生の為、今後定期考査や大会を控えているので更新は曖昧になりますが、これからもよろしくお願いします! (2022年6月14日 7時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 続きが読みたいです! (2022年6月14日 2時) (レス) @page37 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - いーすとさん» いーすと様コメントありがとうございます!!その一言が小説更新の原動力です!!!!嬉しすぎて飛びます!! (2022年6月12日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃな | 作成日時:2022年6月8日 21時