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「いやぁごめんごめん!
まさか松田Aが私の名前知ってるなんて思ってなくて油断してた!」
頬を晴らして、カレーを食べる私の目の前の席に座った吉永さん
取り乱した彼女を止めるのは大変だった
『落ち着いて!!』と宥めようとしてるのに、「これ以上近づかれたら私破裂しちゃう…!」と訳分からん言葉ばかりを並べるのだ
破裂しそうなのは色々な意味で私だわ
『まぁ、落ち着いたみたいだし良かったよ』
「変な所見せちゃってごめんね!」
ケラケラ笑う彼女はどこからどう見てもイケメン女子だった
少し焦げた肌に白くて整った歯並び、シュッとした鼻筋
艶のある黒髪は綺麗に刈り上げられていて、清潔感のあるツーブロックでショートヘアという最強コンボ
陸上をやっていたせいもあってか、手足がとても長く、私なんかよりも断然背丈が高い
こんなに綺麗な彼女なのに、何故あそこまで喋り出すと残念なのか
『……勿体ない』
「え?何が?」
私の呟きにポカン…としてる姿も何故か様になっている
本当に勿体ないなもっと容姿を活かせばいいのに
「というか、私の名前知ってるって事はもしかして松田が話した感じ?」
『うん。陣平から聞いたんだ』
「……という事は、私が松田Aのファンだってことも知ってる?」
『まぁ…』
問いかけに頷くと、吉永さんは「まじかぁ…」と少しだけ項垂れる
というか、この子はずっと私をフルネームで呼ぶ気なのか?
今の吉永さんの印象だと、私のファンと言うよりかは私を崇拝している信仰者の方が近いのだけど
「…入校式でさ、初めて見かけた時に一目惚れしたんだ
緩いくせ毛でゆったりとしたボブとか、長くてくるっと巻かれた睫毛だとか、お人形みたいに整った顔立ちだとか、無意識に松田に向ける柔らかい笑顔だとか」
1つ1つ、私のどこが素敵だとかを話し始める吉永さん
…ちょっと待て よく考えたら公開処.刑か?
「あとはね……」
『もう良い!もう良いよ!!』
新しく話し始めそうな吉永さんを全力で止める
これ以上致死量級の甘い言葉を浴びるのは危険すぎるから!
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ひぃな(プロフ) - 凡人さん» コメントありがとうございます!一気読みしてくださったんですか!?好きすぎるなんて嬉しいです(;_;)更新頻度不安定にはなりますが、これからも頑張りますので読んでいただけると幸いです!! (2022年6月14日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
凡人 - コメント失礼します!作品好きすぎて一気読みしちゃいました〜!続きが楽しみです、無理のないように更新頑張ってください!応援してます💪 (2022年6月14日 22時) (レス) @page40 id: a488a8e9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます!続きを読みたいと思ってくださるような作品を書くことができて嬉しいです!作者は学生の為、今後定期考査や大会を控えているので更新は曖昧になりますが、これからもよろしくお願いします! (2022年6月14日 7時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 続きが読みたいです! (2022年6月14日 2時) (レス) @page37 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - いーすとさん» いーすと様コメントありがとうございます!!その一言が小説更新の原動力です!!!!嬉しすぎて飛びます!! (2022年6月12日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃな | 作成日時:2022年6月8日 21時