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確かに足には自信がある方だ
学生時代は男子生徒に負けず劣らずの走りが出来たと思う
陸上部に勧誘されることも少なくなかったはず
だからと言って警察学校の体育祭のアンカーなんて死んでも嫌だけどな!!!!
こんな筋肉ゴリラしか居なさそうな所でアンカーなんて恥晒すだけじゃん!!
私は確かにやだ!!と拒んだはずだ
それなのにハギは「じゃあAちゃんにけってー!」とか巫山戯たことを言って他のメンバーで走順を話し始めた
なんなんだアイツ
顔の横に着いてる2つの物の名前、なんて言うか知ってるのか?耳って言うんだよ??
ぽつんと取り残された私を、ヒロくんと小野班長だけが心配してるかのようにチラチラとこちらを見てくる
同情するなら切実に変わってほしい
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走順は思ったよりもすぐに決まったらしく、私は陣平からバトンを貰うと本人から直接聞いた
第1走者はハギに決まったらしい
『他の教場引き離して1位でバトン渡さないとただじゃおかないからね』
「Aちゃん顔がガチじゃん怖いよ?」
誰のせいだと思ってるんだ
『もう……なんで私が…』
「とんだ災難だな」
『元はと言えば、陣平がハギと揃って私の事をリレー走者に推薦したからこうなってんだからね?!』
「だってお前と一緒にリレー走りたかったからよォ」
ぷんすか怒る私を宥めるかのように、陣平は穏やかな表情でそう私に告げた
『……』
その顔はズルい
元々顔が良いのに、そんな風に優しく微笑まれては何も言えなくなってしまう
沢山不満はあるはずのなのに、言いたいことがどんどん消えていくような気がした
やっぱり私は陣平にとことん甘い
『……もう決まった事だもんね
私も陣平からバトン貰えるなら絶対バトンパスのミスは無いから安心だし』
「は 当たり前だろうが」
お互いに、どれくらいの距離でどれくらいのタイミングでパスをすれば良いのか何となくだけど感覚で分かる
それはバトンパスに限ったことではないんだけど、所謂阿吽の呼吸ってやつ
それを学生時代に親友に話したら「テレパシーでも使ってんのか」と言われたっけ
『ね、陣平』
「あ?」
『私がリレー頑張ったら、1つだけお願い聞いてよ』
そう陣平に提案するとニコッと微笑んで「いいぜ」と了承してくれた
少しだけ、やる気が出てきた
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ひぃな(プロフ) - 凡人さん» コメントありがとうございます!一気読みしてくださったんですか!?好きすぎるなんて嬉しいです(;_;)更新頻度不安定にはなりますが、これからも頑張りますので読んでいただけると幸いです!! (2022年6月14日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
凡人 - コメント失礼します!作品好きすぎて一気読みしちゃいました〜!続きが楽しみです、無理のないように更新頑張ってください!応援してます💪 (2022年6月14日 22時) (レス) @page40 id: a488a8e9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます!続きを読みたいと思ってくださるような作品を書くことができて嬉しいです!作者は学生の為、今後定期考査や大会を控えているので更新は曖昧になりますが、これからもよろしくお願いします! (2022年6月14日 7時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 続きが読みたいです! (2022年6月14日 2時) (レス) @page37 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - いーすとさん» いーすと様コメントありがとうございます!!その一言が小説更新の原動力です!!!!嬉しすぎて飛びます!! (2022年6月12日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃな | 作成日時:2022年6月8日 21時