生意気な後輩。 ページ8
.
放課後の教室、一人溜息をついて机に突っ伏した。
"もう別れてほしい"
彼氏にそう告げられたのはほんの数分前の出来事。
「理由ぐらい教えてくれてもいいじゃん…」
特に明確な理由も聞けないまま立ち去ってしまった彼の背中を見つめることしかできなくて、今に至る。
「せんぱーい、何落ち込んでんの？」
急に聞こえてきたその声に顔を上げると
教室のドアにもたれ掛かる後輩、北斗くんの姿。
「なんでまだいるの、」
「先輩と一緒に帰ろうと思ってきたんですけど〜」
「私、彼氏いるって言ったでしょ？」
「でもフラれたんじゃないの？」
「…………」
「図星？だから俺にしとけばって言ったのに」
そう、北斗くんは何故か私に構ってきて、あいつなんかやめて俺と付き合おうよだとかいう冗談を毎回のように言ってくる。
「またそんな冗談ばっかり」
「なに、信じてくれてないの？」
「うん」
「んー、じゃあ手出して」
「手？こう？」
私の手を取った北斗くんはそのまま自分の胸へ。
触れた途端、ドキドキと早い鼓動が伝わってきた。
「俺、こう見えて先輩と話すの緊張してるんだよ」
「どうして…？」
「こんなに人を好きになったのは初めてだから。」
下ろした手は繋いだまま、
ぎゅっと力を込めて握りしめた北斗くん。
「本当のこというと…先輩が彼氏と別れてくれて嬉しいんだ。ごめんね、辛い思いしてんのに」
「………」
「俺、本気で先輩が、Aのことが好き。今すぐ付き合おうなんて言わないから…少しづつ俺のこと好きになって？」
私を見つめてそう言ってくれた北斗くんに
胸がキュンとしたのはどうしてかな。
こんなにも本気で思ってくれてるなんて知らなくて
真っ直ぐな思いは少し照れくさかった。
"私も北斗くんが好き"
そんな言葉を伝えられるのは、きっともう少し先のお話。
fin.
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のぞみ(プロフ) - Hiiさん» 分かります、呼べたら冥土の土産はもう十分ですねw (2019年1月14日 1時) (
レス) id: 0a123ac5bc (このIDを非表示/違反報告)
Hii(プロフ) - まてぃ子さん» わ〜こちらこそです！よかった！！ぜひぜひこんな作品ですがこれからもたくさん読んでやってください(＞＜) (2019年1月10日 0時) (レス) id: eba973f29a (このIDを非表示/違反報告)
まてぃ子(プロフ) - Hiiさん» めちゃめちゃきゅんきゅんしました有難うございます(;_;)これからも応援してます(;_;) (2019年1月9日 23時) (レス) id: 59ad6f6149 (このIDを非表示/違反報告)
Hii(プロフ) - のぞみさん» ほっくんをお兄ちゃんと呼べる日が来たならそれはきっと私の命日(え？笑) (2019年1月9日 22時) (レス) id: eba973f29a (このIDを非表示/違反報告)
Hii(プロフ) - まてぃ子さん» こちらこそリクエストありがとうございました！なんだか長くなってやっと書き終えたのですが、楽しんでいただけたら嬉しいです！(泣) (2019年1月9日 22時) (レス) id: eba973f29a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiina
| 作成日時：2018年12月9日 22時
