＊ ページ8
.
「お、ちゃんといた」
「なんですか！いますよ！」
「いやぁ、逃げたかと」
放課後、大人しく教室で待っていたというのにこの始末。
ほかの先生ならまだしも北斗先生から逃げるなんてことは絶対ないもん！
「んじゃ、始めるか」
私の隣の席に座ると机をくっつけて距離を詰める北斗先生。
これは、なかなか近いんじゃ…？
「はい、まず問１」
「えっと…」
せんせぇ！私それどころじゃない！！
放課後の教室でこんなに密着することになるなんて。
なんか、なんか……緊張しちゃうじゃん！
ドキドキとうるさい心臓に気づかれませんように、って思いながらなんとか１問目を解き終える。
「ん、正解。次はちょっと難しいかな、できそう？」
「うーん、わかんない、」
「ここはさっき使った公式に当てはめてみ？そしたらできるはず」
いつもより近い距離で聞こえる声にキュンとした。
落ち着いたトーンがすごく心地いい。
なんだかもっと声が聞きたくなってたくさん質問もして、せっかく教えて貰ってるのにきっと明日には忘れちゃうよ。
結局最後までドキドキは止まらないまま約１時間。
「よし、もうこんな時間だし今日はこの辺で終わり。A、やればできるじゃん」
「ほんと？」
パタンと教科書を閉じた北斗先生は私を覗き込んで微笑んだ。
…と思ったら途端に不思議そうな表情に変わる。
「ところで、さっきから静かじゃない？」
「え？」
「朝のほうが元気だった、っていうかうるさかったけどね」
失礼な！なんて突っ込む余裕もない私を見つめる北斗先生。
「なに、俺がスパルタすぎた？」
心配…してくれてるんだなぁ。
むしろ北斗先生は優しく教えてくれてたよ。
不安そうな先生に、違うよって首を横に振った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 905人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hiina(プロフ) - たい焼きさん» ヤンデレと心中がテーマになっていたお話なのでそういうことになりますね、、幸せな死ですきっと、、(？) (2020年8月14日 15時) (
レス) id: c45b4442a4 (このIDを非表示/違反報告)
たい焼き - 「永遠の誓い」って最後死んじゃったんですか…？考えすぎ？？ (2020年8月14日 0時) (レス) id: 0b039e69c7 (このIDを非表示/違反報告)
hiina(プロフ) - れくさん» お返事遅くなってごめんなさい！！ありがとうございます頑張りますね！！ (2019年5月17日 23時) (レス) id: eba973f29a (このIDを非表示/違反報告)
れく - すごく面白いです！更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: b7eeef1b9a (このIDを非表示/違反報告)
hiina(プロフ) - すずかすてらさん» わ〜！そう言っていただけて嬉しいです！！こちらこそありがとうございました(泣) (2019年5月6日 14時) (レス) id: eba973f29a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hiina
| 作成日時：2019年3月18日 17時
