北斗くんだけ。3

はるととほくと。 ページ13

※ドラマ第4話のネタバレを少々含んでおります


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「っ、うぅぅ……」

「いつまで泣いてんだよもう(笑)」

「だってぇぇ……」






隣に座った北斗がポンポンと私の頭を撫でるけど
私はというと、ちっとも涙が止まらない。






理由は北斗が出演中の某ドラマを見たこと。

痛そうだし辛そうだし切ないし苦しそうで…！！！







「はるどぐんんん、」

「はいはい、晴人くんでーす」







このドラマ、キュンキュンときめいたり心臓がきゅーってなったり感情が忙しい。








"みんな平気じゃないけど、平気なフリして生きてるだけ"







なんて心に刺さる言葉なんだろう。






いつも明るく振舞っていた晴人くんの本音が溢れた瞬間、

これまでにどれだけの人から冷たい目に晒されたのかなとか、辛い思いもたくさんしてきたんだろうな、とか。

考え始めたら涙が零れちゃって…。









それに、、









「シンプルにビジュがかわいいぃぃ(泣)」

「なんだそれ」








これまでに4話放送されたわけけど、あまりの可愛さに内容が入ってこないことも多々あった。









「北斗すごいね、あんなにも晴人くんになりきって。"渡辺晴人"くんが本当に存在してるみたいでいつも見入っちゃうよ」

「ふふ、ありがとね」








本当に素敵な役柄だなぁってお話を重ねる毎に感じてるよ。








「でも私しおりちゃんとはライバルだな。晴人くんの彼女枠狙ってたのにぽっぺちゅーも奪われちゃったから私はマウストゥーマウスを……って、今の私きもくない？」








わけのわからない独り言を呟く私を見て北斗は隣で笑ってる。

全く、真剣なんだからね私は！！






なんて考えてたら北斗と目が合って。









「だめだよ。Aは俺だけのものだもん。」

「…っ、」

「Aが好きなのは、北斗、でしょ？」









ちゅ、っと音を立てて重なった唇。








きっと真っ赤になっているであろう私を見て
楽しそうに笑う彼を

やっぱり好きだなぁ、って思うんだ。






「例え相手が晴人でも浮気は許さないよ？」

「う、、晴人くんに浮気しないとは言いきれない！」

「おい！」









fin.

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