【MU】ド腐れ縁 (ページ10)

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8話ページ10

あれからしばらくRΩRの歴史について語られ、魅力を語られ、かれこれ1時間が経過しようとしていた

「…で、どうだい？このクラブに入ってくれるかい？」

入らせる気満々じゃないか

Aは長ったらしい武勇伝を聞かされ、意識が軽く明後日の方へ飛んでいた

「入るさ！な、A！」

「サリー…」

先程から行方をくらませていたサリーが、RΩRのメンバーであろう数人と共に現れた

「どこに行ってたの？私一人置いて」

「JθXのクラブハウスでゲームをしてたのさ」

皮肉たっぷりに言うと、彼はもろともせずに答えた

これ景品、と渡されたのは最近駅の近くにできた洋菓子店のはやりのクッキーだった

「これ…！！」

「食いたがってただろ？」

食べるためには、2時間ならばなければ食べられないという幻の…！

感動しているうちに、クッキーを一口頬張る

「～…！！美味しすぎる…！」

美味しさに悶絶していると、背後から声をかけられた

「コーヒー、飲むか？」

目が四つある、昆虫型のモンスターだった

四つ目がぎょろりとこちらへ向いている

その手にはコーヒーカップが握られていた

「あ、え、ど、どうも…」

もらったコーヒーをすすると、サリーがにやにやと言う

「ちなみにクッキーのお代は、このクラブに入る、でいいよ」