【MU】ド腐れ縁 (ページ7)

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5話ページ7

「助けてくれてありがとう」

彼

先程ランドール・ボッグスと名乗った彼の隣に座って、彼の作ったカップケーキを食べていた

「いや、困ってるみたいだったし、当然だよ」

どこか自信無さげに応えるランドールに、幼かったころの幼馴染の姿を重ねた

「ところで君、怖がらせ学部なんだって？僕と同じだね」

「あなたもなの？」

勝手にドア工学部あたりだと思っていた彼女は衝撃を受ける

失礼な話だ

「…じゃあさっきの擬態は怖がらせにうってつけね、羨ましい才能だわ」

Aがそう言うと、ランドールは顔を赤くさせた

「あ、いや、あの…ど、同室の子にも言われたなあ」

ハハハ、と恥ずかしそうに笑いを漏らす彼

同室の子とは、と彼女は首をひねったが、聞いてもわからないだろうと思い、口には出さなかった

「それにしてもこのカップケーキ、すごく美味しいわ」

ひとつをペロリとたいらげると、ランドールは嬉しそうに笑った

「よかった…！あ、まだあるんだ！食べる？」

「んー…こんな時間にたくさん食べたら、太っちゃうわ」

遠慮しておくわ、そう言うと、彼は肩を落として残念そうにした

Aはランドールの気の高低差に、笑みをこぼした

するとランドールは顔を真っ赤にさせて、興奮気味に話す

「わ、笑ってた方が、か、かわいい…！」

彼は顔をはっとさせて、ごめん、怖がらせ屋を目指してるのに、こんなこと言ってと、先程とは対照的に顔を青ざめさせた

「大丈夫よ」

不思議と、嫌な気はしなかった

「それより、このカップケーキ、また今度たくさん食べたいわ」

Aが立ち上がりながらランドールに向かって言うと、ランドールはまた顔を赤くさせて

「もちろん！」

とうなずいた