片思いアンバー《岩田剛典》

知ってるから ページ45

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岩田side





岩｢葉月さんいないんですか？｣





あの日から個人の仕事が忙しくて久しぶりに事務所に来たら



いつも真ん中にいるはずのAちゃんはいなかった







凛｢今、休憩中。
汚名返上するためって休憩取らないから私が無理やり休ませたの。笑｣


岩｢…そうなんですね。｣








汚名返上ってこないだの会議の、だよね？


やっぱすげぇ気にしてんだ。







岩｢葉月さん、俺のことなんか言ってました？｣


凛｢いや、特に何も。
ただ…余計なこと考えたくないって。｣


岩｢……。｣


凛｢もしかして、岩田くんAに何か言ったりした？｣


岩｢わかんないけど、俺が追い詰めたかも。
…今、葉月さんどこにいます？｣


凛｢休憩室だと思うけど…｣









それだけ聞いて、休憩室に向かった



足が一歩一歩進んで、休憩室が近づく度に

心臓の鼓動が早くなる。








岩｢ライブより緊張してる？｣








だって、傷つけたかもしれない。


もう嫌われたかもって思うと、どんな顔して会えばいいかわかんないじゃん。





でも、この角を曲がればもう休憩室。





覚悟決めないとって立ち止まって深呼吸しようとしてたら




休憩室の方から女の子達の会話が聞こえてきた







『三代目さんの会議、葉月さんのせいでできなかったんでしょ？笑』


『そうそう！大事な会議なのに最悪だよね笑』


『メンバーさんもすごい怒ってるって笑』


『ろくに仕事できないくせにニコニコ愛想振りまいてるからだよ笑』


『いい気味だね笑』









なに…？それ…



俺達、別に怒ってないでしょ？

どこからそんな噂流れてんの？



しかも、ろくに仕事できないって。








岩｢ねぇ。｣


『え、岩田さん！？』


岩｢…誰が俺ら怒ってるなんて言ってた？｣


『いや、誰っていうか…』


岩｢葉月さんがほんとに仕事できないように見える？｣


『………。』


岩｢たった１回のミスでそこまで言うんだ？
君らはミスしないわけ？｣


『…すみません。失礼します。』









あまりにもひどい言われように耐えられなくて話しかけたら


何も言い返せなくて逃げてっちゃって。




そんなんだったら、最初から言わなきゃいいのに。







俺はちゃんと知ってる。





いつも真面目に仕事してることも

今だってミスを取り返すために必死になってることも。





あんな風に言われてるのに黙って見過ごすわけにはいかないんだよ。






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