one’s love 3 《登坂広臣》

目覚めるとき ページ20

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登坂side






あれから１週間




世間にはAの活動休止が発表されて、メディアを騒がせていた






休止理由を説明しない事務所に記者が殺到してファンからの不安の声もあがってる








もちろん、俺の所にも記者が押しかけてきてコメントを求めてきたけど




それには一言も答えず




毎日、仕事の合間を縫ってAに会いに行く日々を続けていた







今日は撮影があったとか

新曲のレコーディングをしたとか






しょうもない話だけど







もしかしたら、聞こえてるかもしれない

目が覚めるかもしれない






そんな一縷の望みをかけて、話しかけ続けた









そして、その時は突然訪れる









臣｢毎日、そんなに寝てんのにまだ眠い？



頼むから、
そろそろ起きてよ…。｣









そう言って、Aの手を握った時


本当にかすかで一瞬だったけど









俺の手を握り返した








臣｢…A？｣








驚いて話しかけるけど、眠ったままのAを見て




あぁ、気のせいか と帰ろうとした時









｢…み…く｣



臣｢…え？｣



｢おみ…く、、ん｣









振り返った目線の先には









かすれる声で俺の名前を必死に呼んで



俺に向かって手を伸ばすAがいた





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