one’s love 3 《登坂広臣》

今度こそ ページ17

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登坂side




黙ってがんちゃんの話に耳を傾けた






がんちゃんの口から話されることは衝撃的なものばかりで


だけど、よく考えたら思い当たる節もあった







最後に２人で飯に行ったあの日、Aのケータイは何度も鳴ってた


帰り際、Aはいつもより強く俺に抱きついてた





その小さな異変に俺は気付いてたのに、１人で泣いてたことには気付けなくて







Aが今も目を覚まさないのは俺のせいだ


神様が俺に与えた罰。









“ 臣さんなら、まだAを救える ”

“ 今からでも遅くない ”








本当にそう？

大事な人のSOSにも気付けないやつが今さら救える？









…今からじゃ、もう遅い。









臣｢……｣









そう思って、黙りこんだ俺に怒鳴ったのは



がんちゃんじゃなく

隆二だった









隆｢何ぼけっとしてんだよ！！
早く行けよ｣



臣｢俺には、



隆｢お前またAちゃんのこと見捨てるつもり？｣



臣｢んなわけねーだろ！でも、｣



隆｢でも、じゃねーよ！！
今、行かないと今度こそ本当に失うぞ！！
お前も前に進めないんじゃねーの！？｣







隆二の言葉にハッとした









今度こそ本当に失う。









それでいいの…？



Aに何も伝えないまま、この思いを消して、


なかったことにしていいの…？









臣｢すみません、行ってきます！！｣







メンバーにその背中を見送られながら



Aの所へ駆け出した




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