○ 夢を叶える準備運動 ○ Ⅲ (ページ49)

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陥没ページ49

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Ryusei.Fukada

外に出られず自分の家で暇を持て余していた誕生日。

突然届いた宅急便に困惑しながらも開けてみると俺が前から欲しがっていたブランドの服。

一緒に入っていたカードには“今度奢ってね♡”の文字。

こんな丸っこい字でハートマークを書く人なんて、俺の思い当たる内では1人しかいない。

「も、もしもし！」

『深田ー？どしたの』

「どしたのって…、荷物」

『あー届いた？』

素っ頓狂な声で気に入った？なんて聞いてくるウィスパーボイス。

してやったりのにやり顔が脳裏に浮かんだ。

『そのブランド好きでしょ』

「何で知ってるんすか！」

『だってサイト見てたじゃん』

ダテに男社会で7年生きてませんから。

そんな言葉でああ、この人には一生勝てないんだろうなと悟る。

何百といるジャニーズの世界で毎回全員を喜ばせるプレゼントを贈るなんて早々出来たものじゃない。

性別が違うなら尚更だ。

『あ、住所マネージャーさんに聞いちゃったんだけど。大丈夫？』

「悪用しないでくださいよ？」

『しねーよ馬鹿』

俺に対して口が悪いのは檜山くんそっくりだ。

一緒にいれば似るのかな。

何でこんな強者にこんな気持ち持っちゃったんだろ。

プレゼント1つで馬鹿みたいに顔赤くして、18にもなってダサすぎでしょ。

確かに欲しい物だったけど、多分Aちゃんになら泥団子貰ったって喜ぶ気がする。

…それはないか。

いや、そういう人は確かに居そう。俺はそのレベルじゃないけど。

『おーい』

「は、はい！」

『聞いてんの？』

「き、聞いてます！」

『ふーん。あ、そうだ』

手紙入ってるからちゃんと読めよ？

その言葉と共にぶち切られる。

手紙…って、あのカード？

そう思いつつも箱を探ると、奥底に可愛らしい封筒が。

…あ、やべ。

さすがにこれはアウトでしょ。

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