つーばさばさ ページ37
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「好きなの食べていいよ？卒業祝いなんだし！」
「えっと…じゃあこれ」
「あ、それ私も好きなやつ」
慣れた所作で店員に注文する日南。
その正面に座るのは、少年忍者の山井飛翔だ。
先日中学を卒業した山井を、日南はご飯に誘った。
ちなみにこれは、他のジャニーズメンバーやファンが知ればひっくり返る大事件である。
さすがに年下に奢らせる程鬼畜ではない為、そこに関して驚くのではなく、“日南が先輩らしくなっている”ということに驚愕するであろう。
「…あの、」
「んー？」
「こういう店、よく来るんですか？」
日南が連れてきたのは、普段中学生が行くようなチェーン店ではなく、しっかりとしたパスタ屋さん。
1歳しか変わらない人、しかも女性ににこんな店で奢られるなんて、と気が引けた山井。
それだけでなく、こんな雰囲気のある店でよくデートするのかが気になった山井は恐る恐る聞いてみた。
「んー…、先輩に教えてもらったお店なんだけど、後輩連れてくるのは初めてかも」
「海琉とか久保とか、仲良いのに？」
「そこら辺の年齢の子はそもそもサシでご飯行かないなあ。ほら、タピオカとかはあるけど」
「僕2人とそんな変わらないですよ？」
「でもほら、高校生なるじゃん？日南デビューだよ」
何ですかそれ、と可愛らしく笑った山井。
普段は久保や小田、田村という天真爛漫な中学生メンバーと共に活動するせいか控えめなお兄さんポジションになってしまう山井。
それを汲み取ったのか、はたまた単に気に入っている後輩だからか、
「高校生になっても仲良くしてよね？」
つい可愛がってしまうらしい。
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作者名：まれぴゅま
| 作成日時：2020年2月24日 11時
