ワイテルズＢＬ短編集 (ページ4)

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忘愛症候群　危機組　きんとき→きりやんページ4

きり「俺、きんときのこと忘れちゃうんだよ。」
互いに予定が合わなかったせいで、久しぶりに会ったのに俺の彼女から出てきたのはそんな言葉。
きりやんは小さく震えている。
きん「え...嘘でしょ？」
きり「俺だって嘘だと思いたいよ！けど...忘れちゃうんだって。」
そう言いながら涙を流すきりやんの言葉に嘘がないと知る。
きん「...どんな病気？」
きり「奇病だって...きんとき、一つ約束して。」
きん「うん。何を？」
きり「絶対に俺を治そうとしないで。それと、俺が忘れちゃったら俺のことをあきらめて。あと、きんときは俺の病気について悩まないで。」
言われた言葉にかなり戸惑う。
きりやんは、俺を忘れたいのか？
きり「きんときのこと忘れたくないよ！けど、俺の病気が治っても俺は死ぬことにする！」
きん「ちょ、ちょっと待って。その治療法って何なの？」
きり「俺の病気...忘愛症候群っていう奇病なんだ。愛する人を忘れちゃうんだ。」
きん「忘れたって、何回でもやり直せばいいじゃん！」
きり「それじゃダメなんだよ。」
それじゃダメ？
きり「何回やり直しても結局きんときのことは忘れちゃうんだ。それに、きんときが俺のことをあきらめなかったり、俺の病気について悩んだりしたらきんときまでこの病気になっちゃう。」
きん「そんなの、諦められるわけないじゃん。」
きり「けど、きんときには俺のことを忘れてほしくないんだ。」
「身勝手だと思うけどね」と彼は涙をさらに流した。
――――
続きます