１３ ページ14
きりやんside
おばさんに言われて来たのはAの病室。
「A、ご飯も食べないの。きりやん君ならなんとかできるんじゃないかって思って。」
きり「おそらく無理ですよ。」
「無理でもいいから。」
そんなやり取りに俺は破れて病室のドアをノックしてはいる。
そこにいたのは布団にくるまって俺に背を向けているA。
貴方『...なんで来たの？もう来ないでって言ったよね？』
こちらを見ずに冷めた口調で言うA。
きり「おばさんから聞いた。お前、ご飯食べないんだって？ちゃんと食べなきゃ死ぬぞ？」
貴方『きりやん...頭悪くなったね。』
質問を無視して言った言葉に帰ってきたのは悪口。
思わずかっとなってしまいそうになるのをこらえて言葉を紡ぐ。
きり「どういうことだ？」
貴方『簡単だよ、食べなきゃ死ぬ。そうと分かってて食べないの。でも、点滴によって強制的に生かされる。』
きり「何だその言い方。生きたくない、って言ってるみたいな...。」
貴方『そういってるんだよ。』
少しは予想してたけど本人の口から言われるとショックだ。
きり「俺らは生きてほしいんだけど。」
貴方『人の話も聞かずに裏切ったくせに？』
Aの言葉が深く心を抉る。
その痛みは怒りじゃなくて悲しみ。
本当になんで、Aを信じなかったのだろう。
貴方『勝手に悪者扱いして日々暴言を吐いてきたくせに？』
きり「...」
何も言えない。だってAは正論を言っているのだから。
貴方『それなのに生きててほしいって身勝手過ぎない？』
きり「...確かにそうだな。」
ようやく絞り出たのはそんな言葉。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yurei(プロフ) - 友希那さん» ありがとうございます。 (2019年8月5日 19時) (
レス) id: 66922ea055 (このIDを非表示/違反報告)
友希那 - 自然と涙が…すごくいい作品だと思いました (2019年8月5日 18時) (レス) id: 43ce5d2e93 (このIDを非表示/違反報告)
yurei(プロフ) - よるさん» 頑張ります (2019年7月24日 9時) (レス) id: 66922ea055 (このIDを非表示/違反報告)
よる - あぁ、、、続きが知りたい。(←迷惑かけんな) (2019年7月23日 21時) (レス) id: ab3e76bedb (このIDを非表示/違反報告)
yurei(プロフ) - シモンさん» あざっす (2019年6月14日 19時) (レス) id: 66922ea055 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yurei | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/WT_MT_tanpen/
作成日時：2019年6月2日 16時
